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「販路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

販路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の時から続いてやっている、確な人に委せて、監督させてある北海道の方へも、東京での販路拡張の手隙《てすき》には、年に一度くらいは行ってみなければならぬことも話して....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
君に一つその方の面倒を見て貰おうか。この方が成功すれば、金魚と違って食糧品だから販路はすばらしく大きいのだ」 もちろん復一は言下に断った。 「だめですね。詩を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、彼が京都の方で見て来た上方風な家屋の意匠が採り入れてある。木曾地方への物資の販路を求めて西は馬籠から東は奈良井辺の奥筋まで入り込むことはおろか、生糸売り込み....
縮図」より 著者:徳田秋声
菓会社も、明治時代から京浜間の工場地帯に洋風製菓の工場をもち、大量製産と広範囲の販路を開拓し、製菓界に重きを成していたもので、社長の永瀬は五十に近い人柄の紳士だ....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
わしめたが、もし、その効能を、昆布屋の新人が、宣伝するなら、チューインガムよりも販路が広いかもしれない。 昆布の含むヨードは、乾燥してしまって、何う成っている....
トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
博士は莞爾しながら言った。 勇吉は唯まごまごして暮した。印刷が出来上らない中は販路の方に取りかかることも出来ないので、仕方なしに職業の方を彼方此方で訊いて見た....
」より 著者:寺田寅彦
くほどそれが猛烈になる。夥しいかもめの群れが渦巻いている。いかの大漁があったのが販路を失って浜で腐ったのであった。上陸後半日もすると、われわれ一行の鼻の神経は悪....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
乱れて切れてしまった。人々はその方法をごまかし、製品を粗悪にし、信用をなくした。販路はせばまり、注文は減少した。職工の賃金は低下し、工場は業をやめ、破産が到来し....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
り、原料代は高くなって採集量はかえって少なくなるというのが順序です。で、せっかく販路が拡張されて相当の売行きを見る頃は、製品は逆に格高となり、終には中止せねばな....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
いうことは出来ない。もしデンマークを真似て牧畜を盛んにしたならば、たちまち製品の販路に窮し、かえって農家の経済を乱すことになると思う。それよりもむしろ東京という....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
本品でなければ上等でないように思うものが段々|殖えて来た。その結果が日本の商品の販路拡張となり、日露両国民の相互の理解となり、国際上の無言の勢力となるから、もし....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
流れぜいたくに走る傾向ありて、フランスにて製作する装飾品、美術品の最高価のものの販路は、南米に限るとの評なり。また、南米人の毎年フランス・パリに遊ぶものすこぶる....
」より 著者:岡本かの子
和五年に世界各国は金禁止に伴って関税障壁を競い出した。鼈長の拓きかけた鼈甲製品の販路もほとんど閉された。支那事変の影響は、一方、日本趣味の復活に結婚式の櫛笄等に....
九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
大量生産で「機械を据え」つけて、製品としてどんどん売り出したのである。これが案外販路がひらけて、四、五年の後には、この方が九谷焼としてより多く認められるようにな....
〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
なる原稿を得て雑誌の内容を充実せしめ、傍らジャーナリズムチックな編集をも敢てして販路を拡張することが急務なるに、その実行が中々困難な事情に在り、そしてこの状態は....