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「貫徹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貫徹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
った。最後の瞬間までどんなことでも胸一つに納《おさ》めておいて、切りだしたら最後貫徹しないではおかない清逸の平生を知らない園ではないはずだ。だがあの健康で明日突....
党生活者」より 著者:小林多喜二
よ、彼奴等に勝つためには科学的に正しい方針と、そいつをどんな事があっても最後まで貫徹するという決意性があるだけだ。ファシスト連が動き出したとすれば、俺たち生命が....
新生」より 著者:島崎藤村
描いて見る節子の眼だ。可傷《いたいた》しい眼だ。鋭いナイフで是方《こちら》の胸を貫徹《つきとお》さずには置かないほどの力を有《も》った眼だ。 一度犯した罪は何....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
入り込む事が出来る者なら、此の時の彼の眼光は確かに秀子の腹の中を透かして背中まで貫徹《ぬけとお》ったで有ろう、けれども彼は終に満足の様子を示さぬ。 余も心配だ....
愚人の毒」より 著者:小酒井不木
、昔のいわゆる勘当をすると言い出しましたけれど、なんと言われても保一くんは初志を貫徹しようとしましたので、健吉くんが仲に入ってその遊女を身請けさせ、一方、未亡人....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を訪い朝廷の御機嫌を伺い、すでに勅使を関東に遣わされているから、薩藩と共に叡慮の貫徹に尽力せよとの御沙汰を賜わったのも、六月の二十日から七月へかけてのことであっ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
髄はそのために庄屋の職を辞し、京都寺社奉行所と飯田千村役所との間を往復し、初志を貫徹するために前後四年を費やして、その資産を蕩尽してもなお屈しないほどの熱心さで....
出奔」より 著者:伊藤野枝
。事情はなお恭しく聞かねばわからないがとにかく自分の真の満足を得んがために自信を貫徹することが即ち当人の生命である。生命を失ってはそれこそ人形である。信じて進む....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
子にコンコンと諭されて嬉し涙を流すという古いツキアイの由であった。あげくに初志を貫徹して、目下大学英文科御在学であり、小娘の一念、あなどるべからずである。 戦....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
研究を放擲しましたが、大挙して諸君が参られたからは、再び勇気を揮い起こし、所期を貫徹致すべく努力するつもりでございます」 ここで彼は一|咳したが、 「さて、つ....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
何等の妥協|苟合を許されない。若し対立する見解の一方を採るならば、その所信に於て貫徹を期すべきである。所謂責任と称してその都度職を辞するが如きは、其の意味の責任....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
大納言にぶつかったとしたって何等狼狽することはない。堂々と計画通りに我々の初志を貫徹するまでの話だ。なあ。清原。そうだろう! 清原 (自信なさそうに)うむ………....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
をあて、下図をつくりましたが、そのつど俗事と俗情に妨げられまして、どうしても素志貫徹にいたらず、まことに残念に存じていますうちに、これまた幾たびかその下図が古び....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
りしなり。 以上はその全文である。取出でていうほどの奇はないが、二葉亭の一生を貫徹した潔癖、俗にいう気難かし屋の気象と天才|肌の「シャイ」、俗にいう羞恥み屋の....
越年」より 著者:岡本かの子
聞くに及んで愉快そうに笑いながら、社員を押し分けて自分が加奈江の卓に近寄り「よく貫徹したね、仇討本懐じゃ」と祝った。 加奈江は一同に盛んに賞讃されたけれど、堂....