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貫録
「貫録〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貫録の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
先見の明があったよ。実にえらかった。総理大臣にはならなかったが、総理以上の総理の
貫録はあった人物だ。あの人の大計画を成就させたについて、俺どももこれ、ちょっぴり....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
長が精々五尺あるかなしかだが、白足袋を履き紫襴の袈裟をつけた所には、流石争われぬ
貫録があった。創傷は、顱頂骨と前頭骨の縫合部に孔けられている、円い鏨型の刺傷であ....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
に騙されて、密猟船虎丸のボーイとして乗船した僕が、今は、素人ながら、一等運転士の
貫録をみせて、納り返っているなど、まったく夢のようだ。どろぼう船の奴隷が、どろぼ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
が、彼らの多くは借地権を有たず、少くとも長期の借地権を有たない。そして彼らの富と
貫録とは最近大いに増大したけれども、豪気な所有者と同一地歩に立つことは出来ず、商....
「しかし昔にはかえらない」より 著者:宮本百合子
特性において残存していることは、日本の現代に何を語るだろう。戦争の年々に老舗たる
貫録を加え、「信ずるところあって筆を守って来た」或る種の作家のもちのよさが、こん....
「帝展を観ての感想」より 著者:宮本百合子
なって来ている。大家連が筆頭で小品風なものを、小品風な筆致で描いて、その範囲での
貫録を示すかのように新進の画家たちとは別にまとめて一室に飾られてある。 私は絵....
「女心拾遺」より 著者:矢田津世子
艶々しい髪がいかにも美くしくて、紋服に袴をつけた恰幅のよい姿は大家の旦那然とした
貫録を示していた。そんな盛装の父しか記憶にのこっていない稚い伊予子は、父というも....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
てあるシャチも※ぎとられたり欠けたりしていた。文政六年の建立とあるが、老常夜燈の
貫録は、その全身の深苔にはっきり見られるようだった。「霊泉禅寺」と大きな額が本堂....