責苦[語句情報] » 責苦

「責苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

責苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
く》ばかりでございます。これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦《せめく》に疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。で....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
然悪びれる気色《けしき》はなかった。霊魂《アニマ》の助かりのためならば、いかなる責苦《せめく》も覚悟である。おん主《あるじ》は必ず我等のために、御加護《おんかご....
富士」より 著者:岡本かの子
東の方にある山を望んで足を運ばせた。 行糧の料はすでに尽き、衣類、履ものも旅の責苦に破れ損じた。この身なりで物乞うては餓を満たして行く旅の翁を誰も親切には教え....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
れならば、しようがない。是非に及ばぬことじゃ。村一統知らぬ存ぜぬで、どなにひどい責苦にでもかかるのじゃ。その代り、みなもその覚悟してな、入牢の腹を決めて下されな....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
仕切り定めぬ、 さなくば光や空気と同じく持主は定め難からん。 今はこの土も鋤鍬の責苦のみか 人はその臓腑の奥までも掻きさぐりぬ。 宝を求めて人は穴を掘りぬ、最も....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
偵猫々はそれには応えず、瞑目したまましばし額をおさえていた。彼はその恐ろしかりし責苦の場面をまた新しく今目の前に思い出したのであろう。ややあって探偵は目を明いた....
南地心中」より 著者:泉鏡花
れて、鶉の仕切も拷問の柱とやら、膝も骨も砕けるほど、辛い苦しい堪え難い、石を抱く責苦に逢うような中でも、身節も弛んで、恍惚するまで視めていた。あの………扉の、お....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
に眼を食われるやら、――その苦しみを数え立てていては、到底際限がない位、あらゆる責苦に遇わされたのです。それでも杜子春は我慢強く、じっと歯を食いしばったまま、一....
俊寛」より 著者:倉田百三
て勝ち誇ったようにふすまをあけて出ていった。その時の父には無念の表情よりもむしろ責苦をのがれた安堵の色が見えた。こういうことをはたで見ていたと言って、明らかにわ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
っていて、脚布掛けの松と呼ばれている。 殿の屋形に著いてからの姫は日夜|拷問の責苦に遇い、その果はとうとう屋形のうしろの断崖から突き落されてこと切れた。無慚な....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
らみついて、あたりを洞穴のように真暗にしていた。この橋をわたるのは、世にもつらい責苦だった。まさにこの地点で薄幸なアンドレは捕まったのであり、この栗や葡萄づるの....
夜の構図」より 著者:織田作之助
委ねられた。 彼の心は歓喜に溢れた。レナール夫人を愛するからではない。恐ろしい責苦が今終ったからだ。 新吉は、冴子の事では、今迄何かモヤモヤと割り切れなかっ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。これだけの苦しみを受けてもまだ白状しない。私がラサ府に着いて居る時分にはそんな責苦を受けながら既に二年の星霜を経たという。 それでも自分の主人に対し一言もこ....
活人形」より 著者:泉鏡花
は下枝のいかにしてか脱け出でて来しものにはあらずや。日夜折檻をせらるると聞けば、責苦にや疲れけん、呼吸も苦しげに見ゆるぞかし。こはこのままに去し難しと、泰助は亭....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
同じものを見るということもないではないけれど――』 『お話します。どうぞこの夢の責苦から逃れられますように、助けて下さい。しかし、是非これだけは内密にお願いいた....