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貯える
「貯える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貯えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
とする私などに煩《わずら》わされていてはならない。斃れた親を喰《く》い尽して力を
貯える獅子《しし》の子のように、力強く勇ましく私を振り捨てて人生に乗り出して行く....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
× 習性的生活はその所産を自己の上に積み上げる。智的生活はその所産を自己の中に
貯える。本能的生活は常にその所産を捨てて飛躍する。 私は澱みに来た、そして暫く....
「食魔」より 著者:岡本かの子
を、諸方の料理人に、例の高飛車な教え方をする間に、聞出して、いくつとなく耳学問に
貯える。何かという場合にはその知識に加担を頼んで工夫し出した。彼は独創よりもどっ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
」と聞いた。 「今やりやすと二割方得ですよ」 荒い気候と戦う人達は今から野菜を
貯えることを考えると見える。 前の前の晩に降った涼しい雨と、前の日の好い日光と....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
た。 「それならば早速受取ってつかわし、大事に貯えおくようにいたせ。」 「さあ、
貯えると申しましたところで、あんなに沢山な水樽では……」 家来は当惑したように....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
ぐりこんで九時半まで丁度二時間というものを熟睡して、その後深夜に続く研究の精力を
貯えるのが習慣になっているそうである。 すると今夜も博士の夕食後の睡眠中に、何....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
し思召しがあるほどの男だが、鳶のように魚の腹を握まねばならない。その腸を二升瓶に
貯える、生葱を刻んで捏ね、七色唐辛子を掻交ぜ、掻交ぜ、片襷で練上げた、東海の鯤鯨....
「蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
らしいものは殆んどなく、小額紙幣の間合に時折出てくる安っぽい貨幣を、見当り次第に
貯えるのであり、桂介や久子から貰ったものが多い。明治時代の銀貨や銅貨も少しあるが....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
順序方法を書いたものに過ぎない。吾人は損することを誇りとするものではないが、金を
貯えることをもって唯一の理想とすべきものとは信じない。たとい多大の財産を有する者....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ればならない。かかる不断の危急状態にある社会状態において、たくさんの魚を乾かして
貯えることは極度に困難なことでなければならぬ。殊に魚の最も豊富な湾や入江は、最も....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
る。その設備のごときずいぶん大きなもので、例えばその倉庫には三十万貫に近い穀物を
貯える事が出来る。動力には電気を用い、器械は最新式に依り十時間に四トンの粉を作る....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
事。人猿以外の敵に対しては一同団結して対うこと、食物は一時に貪らず一ヵ所に集めて
貯える事……これらが主なるものであった。この不文律の執行者が彼らの王たる老人で、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ストのパンの問題の解決が徹底したものだと思われだしました。キリストに従えば財産を
貯えることはその心に適いません。「汝ら行くには二つの衣をも携うべからず」です。ま....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
如く余程開けて来たには相違ないが、かつては粟、稗、玉蜀黍の類を常食とし、橡の実を
貯えるという風で、熊、猿、零羊を獲って里へ売りに出て、米を買って帰るくらいが里と....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
はなんの所詮もない。ただ金これ万事を処するといったようなところに眼を着けて、金を
貯える事に非常に奔走尽力して居る。
それだから僧侶が商売をやるとか農業をやると....