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貴
「貴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
まいました。おまけにその岩の向うでは、
「ざまを見ろ、髪長彦め。こうして置けば、
貴様たちは、一月とたたない中に、ひぼしになって死んでしまうぞ。何と己様《おれさま....
「影」より 著者:芥川竜之介
上に仰向けになって、紙切小刀《かみきりこがたな》も使わずに封を切った。
「拝啓、
貴下の夫人が貞操を守られざるは、再三御忠告……
貴下が今日《こんにち》に至るまで、....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
た顔のどこかに、漂《ただよ》っている種類の人であった。が、同時にまたその顔には、
貴族階級には珍らしい、心の底にある苦労の反映が、もの思わしげな陰影を落していた。....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
》の男女の歓喜する声が、澎湃《ほうはい》と天に昇《のぼ》るのを聞いた。
「大日※
貴《おおひるめむち》! 大日※
貴! 大日※
貴!」
「新しい神なぞはおりません。新....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ら、だれにでもこう怒鳴《どな》りつけるであろう。――「出て行け! この悪党めが!
貴様も莫迦《ばか》な、嫉妬《しっと》深い、猥褻《わいせつ》な、ずうずうしい、うぬ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の秋、一行は落ちかかる雁《かり》と共に、始めて江戸の土を踏んだ。江戸は諸国の老若
貴賤《ろうにゃくきせん》が集まっている所だけに、敵の手がかりを尋ねるのにも、何か....
「運」より 著者:芥川竜之介
な事があったね。」
「どんな事と云って、そう一口には申せませんがな。――しかし、
貴方《あなた》がたは、そんな話をお聞きなすっても、格別面白くもございますまい。」....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
やにや独り笑っているのです。 「貰い子か貰い子でないか、一目見りゃわかることだ。
貴様がつれて来なければ、おれがあすこへ行って見る」 遠藤が次の間へ踏みこもうと....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
尤も菊池は飽きるかも知れないが、)それと云うのは、菊池と一しょにいると、何時も兄
貴と一しょにいるような心もちがする。こっちの善い所は勿論了解してくれるし、よしん....
「墓」より 著者:秋田滋
、その限りない苦しみを体験するにつけ、彼女がわたくしに与えてくれた愛情がますます
貴重なものに思われて来るのでした。と、わたくしの心のなかには、 (もう二度と再び....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * * 忘れもしない、彼女がノルマンディーの
貴族と結婚させられたのは、四年前のことである。良人というのは、鬚の濃い、顔色のつ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
我より「しかじかにて間違えられし」と告げれば、この巡査顔を知りたれば打笑いて、「
貴公あまりこの橋の上に永くぶらつかれるからだ。この人は投身を企つる者ではござらぬ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
に行かるる機会があったら、これらの遺物を実際に見らるることも出来る。 第三に、
貴ぶべき示唆を受けることは出来ない。あたかも雲に聳ゆる高塔を仰いで、その偉観に感....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
につづいた幽霊や化け物の話にくらべたらなんでもなかった。このあたりにはそのような
貴重な伝説がたくさんあるのだ。地方色ゆたかな物語や迷信は、こういった辺鄙な、長い....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
大切なものは戸籍だ。人を護るものはこれだ、戸籍だ。人は戸籍に登録されているために
貴いのだ。戸籍を、法律上のこの神を、崇めよ、跪け! 国家は、戸籍を変える権能を....