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「貴族的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴族的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
り。これ一つには、金銭を獲るの難《かた》きを渠は知らざりしゆえなり。 渠はまた貴族的生活を喜ばず、好みて下等社会の境遇を甘んじ、衣食の美と辺幅の修飾とを求めざ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
も出来ません。もう決して貴女の前で、米の直は申しますまい。その代り、貴女もどうぞ貴族的でない、僕が住れそうな、実際、相談の出来そうな長屋式のをお心掛けなすって下....
聖書」より 著者:生田春月
町に関係のないこともないと思って、 「聖書ですね」とKさんを見ると、Kさんのその貴族的な、いかにも旗本の血統を承けているらしいすっきりした顔は、微笑にゆるんで、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
っても、夏の「水貝」の方は残念ながら遠慮している。 冷奴の平民的なるに対して、貴族的なるは鰻の蒲焼である。前者の甚だ淡泊なるに対して、後者は甚だ濃厚なるもので....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
イコフが現れたのは、それからものの十分とたたない後のことだった。長身のひじょうに貴族的な顔をもった医師だった。 彼は、長椅子の上に寝ている黒川のそばに、自分の....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
傾向としては、西洋の宗教画家や東洋の高僧の遺墨などを当然愛好します。それも明るい貴族的なラファエルよりも、素朴な単純なミレーを好み、理智的に円満なダビンチよりも....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
らしている。――それが厨川朔郎だった。二十四、五で美術学生らしい頭髪をし、整った貴族的な容貌の青年だが、肩から下には、炭坑夫とも見擬うような、隆々たる肉線が現わ....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
正当の権利を持っている民衆の欲望に応じない事もある。二十世紀の民衆に過去の世紀の貴族的社会の芸術や思想を強いる事は出来ない。 紳士閥の批評家は屡々云う。民衆は....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
湯というものが、どういうことに思われて居るかと察するに、一は茶の湯というものは、貴族的のもので到底一般社会の遊事にはならぬというのと、一は茶事などというものは、....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
の死後、十分な門地財産を持って六条に住んでいる時に、源氏と相知る事になる。非常に貴族的に見識高く、嫉妬心の強い人で、源氏の自由な恋愛生活を怨んで、生前は生霊とな....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
れているとは思わなかった。全くおまえは見上げたもんだねえ。おまえは全くいい意味で貴族的だねえ。レデイのようだね。それじゃ僕が…… 沢本と戸部とが襲いかかる前に瀬....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
買いますので、価は一ヵ月一人前二十五銭位の割合です。それからこの法王の宮殿に居る貴族的僧侶は百六十五名ありまして、その一団体を称してナムギャル・ターサンというて....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
りちがっているのであって、ことに、『古今集』の方には、宮廷の雅会に引きつけられた貴族的な、教養人的な感じが深い。二十一代集は全くその『古今集』の声調を承けていて....
みつばちのきた日」より 著者:小川未明
語をもらしました。 すると、すぐ、自分の頭の上に、くじゃくの羽を垂れたような、貴族的ならんが、だらりと舌を出したように、みごとな花をつけていましたが、その言葉....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
軍服を着せ、士官候補生を別室に収容して兵と離隔し身の廻りを当番兵に為さしむる等も貴族的教育の模倣の遺風である。速やかに一抛、兵と苦楽をともにせしめねばならぬ。率....