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貴重
「貴重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
い数《すう》に上る事でございましょう。
私はさし当り、これ以上実例を列挙して、
貴重なる閣下の時間を浪費おさせ申そうとは致しますまい。ただ、閣下は、これらが皆疑....
「或る女」より 著者:有島武郎
子はそこに入院する事になったが、その前に岡と古藤とに依頼して、自分の身ぢかにある
貴重品から、倉地の下宿に運んである衣類までを処分してもらわなければならなかった。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
性の相違から来る忌避の感情が持続していた。』しかしギリシア国土の征服後掠奪された
貴重な芸術品や書籍がたくさんにローマへ輸入され、またそれらと一緒に、この戦敗者で....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ではなく、既に第一次欧州大戦でドイツはバクテリヤを食べたのである。 次に動力は
貴重な石炭は使わなくとも、地下に放熱物体――ラジウムとかウラニウム――があって、....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
のだった。この書はいくらか覚えがないと、文字が見えないのだそうだ。(呟く)姉上は
貴重な、しかし、少しあてっこすりの書をお拵えになったよ。ああ、何とか云った、東海....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
臭い。 「あ、」と声を立てたほどである。 雫を切ると、雫まで芬と臭う。たとえば
貴重なる香水の薫の一滴の散るように、洗えば洗うほど流せば流すほど香が広がる。……....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、先ず改善の見込は絶無であろう。 問『無邪気な小児は、死後直ちに上界に進むか?』
貴重なる地上生活の二つである。帰幽せる小児は、天賦的に前者を具えていることもある....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
這般の大震災で世界の各地から蒐集した再び得がたい三千有余の珍らしい玩具や、江戸の
貴重な資料を全部焼失したが、別して惜しいとは思わない。虚心坦懐、去るものを追わず....
「墓」より 著者:秋田滋
、その限りない苦しみを体験するにつけ、彼女がわたくしに与えてくれた愛情がますます
貴重なものに思われて来るのでした。と、わたくしの心のなかには、 (もう二度と再び....
「思い」より 著者:伊丹万作
のがあるかということである。 私は、今度の改革案の発表された日、もはや今後は、
貴重なる弾丸の効果に匹敵するだけの、有用にして秀抜なる映画でなければ作らせないの....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
につづいた幽霊や化け物の話にくらべたらなんでもなかった。このあたりにはそのような
貴重な伝説がたくさんあるのだ。地方色ゆたかな物語や迷信は、こういった辺鄙な、長い....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
の見た山中の人間のよさや味はその作品とは何の関係もない。私はあの春風駘蕩たる彼の
貴重な顔を眺めながら神経質な彼の作品を思い出したことは一度もない。 だいたい彼....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
と、十ウばかりの弟ばかり。 父は塗師職であった。 黄金無垢の金具、高蒔絵の、
貴重な仏壇の修復をするのに、家に預ってあったのが火になった。その償いの一端にさえ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
因なり。第三の原因は、人毎日曜に寺に詣して毎回同じようなる説教を聴き、一週一日の
貴重の休暇を犠牲にするは、あるいは野外に歩を散じ、あるいは友人と懐を語り、随意放....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
。 思つたよりもボタリと重い女の手だつた。しかし、その重みはシツトリとして何か
貴重な値打を感じさせる気持のいい重みであつた。 自分の行動に対して、女が何の抵....