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買出し
「買出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
買出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
本橋の古着屋で半年余り辛抱《しんぼう》が続いた。冬の朝、黒門《くろもん》市場への
買出しに廻《まわ》り道して古着屋の前を通り掛った種吉は、店先を掃除《そうじ》して....
「家霊」より 著者:岡本かの子
は彼女自身却って若さに飽満していたためかも知れない。 店の代々の慣わしは、男は
買出しや料理場を受持ち、嫁か娘が帳場を守ることになっている。そして自分は一人娘で....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
をつけ、重い束を天井に一杯釣り上げ、別に箱に収めて積みあげるのだった。地方からの
買出し人が来ると、商談を纏め、大きい木の箱に詰めて、秋葉原駅、汐留駅、飯田町駅、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なり、朝鮮、台湾、満州を失ったのに加えて泣き面に蜂のていである。 庶民は盛んに
買出しに出かけるが、その内情を聞けば、預金はもう底が見え、交換物資の衣料、ゴム靴....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
と云うものは、浴室の裏の広場で薪を割り続けていたと云い、その妻のとみは吉田町まで
買出しに出ていたと答えた。 四人の陳述は割合に素直で、一見亜太郎の死となんの関....
「一坪館」より 著者:海野十三
多摩川なら、これをずんずん行けば一本道で二子の大橋へ出るよ」 「ありがとう」 「
買出し行くんかね、あっちは高いことをいって、なかなか売ってくれないよ」 「そうで....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
換えなければならなかった。しかも連絡しておらず、一時間近くも待合すこともあった。
買出しの人で電車はぎっしりつまっており、ドアにぴったり胸を押しつけられたまま、百....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
ピシン、サーッと云うのは井戸から水を汲む音である。そこの若衆が息セキ切って河岸の
買出しから帰って来る。 「アラヨ!」なあアんて景気がよい。 お華客廻りは陽の出....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
隣家のS女は、彼女の生れた昨年の旱魃にも深い貯水池のおかげで例年のように収穫があった村へ、お米の
買出しに出かけた。行きしなに、誰れでも外米は食いたくないんだから今度買ってきたら....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
は出来るのを主人に見込まれて、そこの家の養子になった。そうして、養父と一緒に鰻の
買出しに千住へも行き、日本橋の小田原町へも行った。 ある夏の朝である。吉次郎は....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
だもう暢気に寝たり起きたりしている。帳場と店とは小僧対手に上さんが取り仕切って、
買出しや得意廻りは親父の方から一人|若衆をよこして、それに一切任せてある。 今....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
らしい大年増と、でっくり肥った膏親爺と、軽薄らしい若いものと、誰が見ても、人買が
買出した様子なのが、この炎天だから、白鵞も鴨も、豚も羊も、一度水を打って、活をよ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
る。その市価を生じた直接の原因は、商売人の咄に由るとやはり外国人が頻りに感嘆して
買出したからであるそうだ。日本人はいつでも外国人に率先される。写楽も歌麿も国政も....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
行くまでがなかなか危い。強盗の沢山居る中を行かなくちゃあならんから首尾よく其香を
買出して来たところが、果たしてラサ府まで持帰れるかどうか、その間に強盗のために商....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
執の雲のほんとうにまだふき晴れなかった証拠には、ある日、朝、いつものように河岸へ
買出しに行ったとき、たま/\その問屋の店さきで何ごゝろなく取上げた新聞のある報道....