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「貸元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貸元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春昼」より 著者:泉鏡花
売物に出して、さて、地面を買う、店を拡げる、普請にかかる。 土台が極ると、山の貸元になって、坐っていて商売が出来るようになりました、高利は貸します。 どかと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ないか」 と中盆《なかぼん》が叫び出すと、 「おい、音公、お前に五本行ったぞ」貸元が念を押す。 「合点《がってん》だ」 向う鉢巻が返答する。 「六三に四六を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちの三下《さんした》、相撲で言えば関取のふんどしをかつぐといったやからと同格で、貸元のテラ銭運搬がかりというものがある、そいつだな、そいつが、どうも己《おの》れ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
えんだい》へ投げ出したところ、いかにも何国の誰という歴《れっき》として名のあるお貸元が、ひょんな出入りから国を売ってわらじをはいているように見えるものの、さて顔....
中庸」より 著者:坂口安吾
れたことがあった。この村の悪い習慣で、ばくちを日常の娯楽とする者が少くない。別に貸元親分がいるわけでもなく、ばくち打ちというヤクザを稼業とする者がいるわけでもな....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
るのがいる。十六七の小さい中学生なのである。 彼らは賭場へのりこむこともある。貸元の賭場ではなくて、車夫だとか、自由労働者とか、本職でもなしズブの素人でもなし....
便乗型の暴力」より 著者:坂口安吾
によって観衆を納得させようとせずに、警官を林立させて、対処しようとする。まったく貸元対賭場荒しの暴力対抗そのままで、近代精神は見られないのである。 賭場は人生....
剣侠」より 著者:国枝史郎
学び、免許以上に達している。今牛若と綽名され、若親分として威望隆々、武州有数の大貸元であった。 ところが入間郡と境を接する、高麗郡の高萩村に、猪之松という貸元....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
つけろ! ……テラ銭をよこせ!」などと嚇す。そんなことには驚かないで、「お前さん貸元になってください」「うむ、そうか、それもよかろう」――嚇しに来た人間が大将に....
復活祭」より 著者:久生十蘭
めていたが、カルタをあつかう指先が鋭敏になるように、爪を剥いでしまうのだと聞き、貸元《ハウス》とか親分《ナムバア》とかいわれる小原や石根のようなひとまでそうだっ....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
よしみに免じて俺の頼みを聞いてくれ。 長五 合点だ。筑波にゃ仏の瀧次郎、いい顔の貸元で、つき合いの日は浅えが妙な縁で江戸で呑み分けの兄き分がいるから、どうでそこ....
入れ札」より 著者:菊池寛
州|追分の今井小藤太の家に、ころがり込むにしたところが、国定村の忠次とも云われた貸元が、乾児の一人も連れずに、顔を出すことは、沽券にかかわることだった。手頃の乾....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
よしみに免じて俺の頼みを聞いてくれ。 長五 合点だ。筑波にゃ仏の滝次郎、いい顔の貸元で、つき合いの日は浅えが妙な縁で江戸で呑み分けの兄き分がいるから、どうせそこ....
無宿人国記」より 著者:吉川英治
あがったぜ。ここは、人間のさなぎが寄った無宿人の国だ。どうだい、今日は、おれが、貸元になるから、無宿者の真似をして、遊ぼうじゃねえか」 飲むか、寝るか、女ばな....
森の石松」より 著者:山中貞雄
くも俺の身内の佐太郎を殺して逃げやがったな?」 「冗談言っちゃいけねえ清水の御貸元、それァ何かの間違いだ、俺ァ人殺しなンぞした事がねえ」 「何を言やがるんだ....