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貸家
「貸家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貸家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鮨」より 著者:岡本かの子
かかない見極めのついたのを機に職業も捨てた。それから後は、茲のアパート、あちらの
貸家と、彼の一所不定の生活が始まった。 今のはなしのうちの子供、それから大きく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と思うんです。見物より、その方が肝心ですもの。」 「ああ、そうね。」 「どこか、
貸家はあるまいか。」 「へい、無い事もござりませぬが、旦那様方の住まっしゃります....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
右端の家であった。左端の家はもう休んだのか窓にはカーテンが掛り、真中の家は暗くて
貸家札が貼ってあった。三四郎の家の前まで来ると、美木はもう顫え上って動こうとしな....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
人と良人の友と一緒に朝から歩き廻って居た。七月下旬から八月へかけて一家が避暑する
貸家を探す為めであった。光る鉄道線路を越えたり、群る向日葵を処々の別荘の庭先に眺....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
関が三畳、茶の間が六畳、座敷六畳、書斎が四畳半、女中部屋が二畳で、家賃四十五円の
貸家である。裏は高い崖になっていて、南向きの庭には崖の裾の草堤が斜めに押し寄せて....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。はい、お前様、何か尋ねごとさっしゃるかね。彼処の家は表門さ閉っておりませども、
貸家ではねえが……」 その手拭を、裾と一緒に、下からつまみ上げるように帯へ挟ん....
「雷」より 著者:海野十三
て下さい。穴に入りたいくらいだ。お前さんをうちの二階に置いてあげてた頃は、自分の
貸家も十軒ほどあって……」と、中年をすぎたこのうらぶれた棟梁は、手の甲で洟水をグ....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
する。 「されば……」 「いやさ、さればじゃなかろう。裏へ入れば、こまごまとした
貸家もある、それはある。が、表のこの町内は、俺が許と、あと二三軒、しかも大々とし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、単にその時代と出生地のみを記録するにとどめて置いた。 昭和四年初夏 訳者 目次
貸家 リットン スペードの女王 プーシキン 妖物 ビヤース クラリモンド ゴーチ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
りながら声をかけた。 「あなたはそこの家で誰かをお尋ねなさるんですか」 「むむ。
貸家があるということを聞いたので……」 「
貸家ですか。そこはJさんが雇い婆さんに....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
さやいたことがある。 陰気でいけないのか、家賃が高いのか、いずれにしても隣りの
貸家はその後もやはり塞がらなかった。しかしこの時代にはどこにも空家が多かったので....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
いうんで方々捜したそうですがね。 当節は不景気ですから、いくらも床店の売もの、
貸家はあるにゃありますが、値が張ったり、床屋に貸しておくほどの差配人、奴の身上を....
「妖怪学」より 著者:井上円了
また、土蔵の屋根の紋印に「水」の字をえがけるは、水よく火を消すの連想よりきたり、
貸家の札を斜めにはるは、立たぬように祈るの意なり。 その他、夢につきて、悪夢を....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
が三畳、茶の間が六畳、座敷が六畳、書斎が四畳半、女中部屋が二畳で、家賃四十五円の
貸家である。裏は高い崖になっていて、南向きの庭には崖の裾の草堤が斜めに押寄せてい....
「こがらし」より 著者:岩本素白
大きな開き門をはいると、境内はかなり広く、梅林や茶畑や草原などもあって、二三軒の
貸家もあった。然し、住僧は居ないで、切り下げの老婦人が一人、寺の片隅に居るだけで....