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「費す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

費すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いるか。それは犠牲献身という美名をむさぼって、自己に同化し切らない外物に対して浪費する人をいうのだ。自己に同化し切ったものに施すのは即ち自己に施すのだという、世....
星座」より 著者:有島武郎
も、足りないながらも国許から毎月自分に送ってくる学資をよそに消費しておいて――消費するというと大きく聞こえるが、ほんの少しばかりをおたけとクレオパトラのために消....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
を天からの賜物《たまもの》のように思わねばならぬのか。家庭の建立《こんりゅう》に費す労力と精力とを自分は他に用うべきではなかったのか。 私は自分の心の乱れから....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
一つの観念、あるいは意志の働きが、何ら以前から存在するエネルギーあるいは物質を消費することなしに作業あるいは物質の生因となるという考え、換言すれば全くの虚無から....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
行なわれない。また長年養って商売化した兵隊は非常に高価なものであります。それを濫費することは、君主としては惜しいので、なるべく斬り合いはやりたくない。そういうよ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、見物の笑いとともに板に響いた。 私は、ここに橘八郎の舞台については徒に記事を費すまい。草の花に露店の絵の花瓶を写した、陶器に対すると同じ知識の程度では、専門....
戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
たない愚劣な戦争は一日も早くやめてもらいたい。我々の忠勇の血をこれ以上無意味に浪費することをやめてもらいたい。我々の血は皇国の繁栄のためにのみ流さるべきである。....
「ファン」について」より 著者:伊丹万作
特定のファンを持たず、特定のファンを目標とせず、特定のファンについて何らの思考を費すことなく、しかも何不自由なくその日を送つている理由は右のとおりである。 さ....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
遠方過ぎるから別としても、大塚巣鴨辺から通う人は少くも往復一時間半乃至二時間近く費すであろう。毎日之だけの時間を或る一定の仕事に割いたなら、五六年間には相当な大....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
という、自信のついたところで来寇するでしょう。油断はならないのです。相手が準備に費す間に、こっちでもじゅうぶんの防禦準備をつくらねばなりません。それにはぜひとも....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
物反応を記録するのが役目だった。この三人の学者は、毎時間に、五分間を観測と記録に費すと、故障の突発しないかぎり、あとの五十五分間というものを過ごすのに、はなはだ....
階段」より 著者:海野十三
浅く窺ったに過ぎなかった。友江田先生の顔色も窺ったが、気にはなりながらもそちらへ費す時間はなかった。その翌日も又次の日も僕の身体の中には、「彼奴」が生長して行っ....
軍用鮫」より 著者:海野十三
ないから、フィルムを使うのをやめてくれとのことです」 「な、なんだ。フィルムを消費するのをやめろというのか。怪々奇々なる言かな。吾が輩は政府依嘱の仕事をやるにつ....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
屋の中に姿を消した。すべての行動が、いかにも馴れ切った世界に、大したエネルギーを費すことなしに、いとも正確にすすめられてゆくという風に見えた。 作者は、たいへ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
来たらいちいち石橋を金槌で叩きまわるような莫迦丁寧な検べ方をして、貴重な時間を空費するのだ。だから長谷戸だけに委せておいたら捜査は何時間経とうが何日過ぎようが、....