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賃仕事
「賃仕事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賃仕事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
敵にまわったため、母は十二、三から流離の苦を嘗《な》めて、結婚前には東京でお針の
賃仕事をしていたということである。こうして若い時から世の辛酸を嘗めつくしたためか....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
はいえ、立ち入って面倒を見てくれるほどの親身《しんみ》の仲でもないと言った。母は
賃仕事《ちんしごと》などをしていたが、それも病身で近頃はやめていると言った。お里....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
なかった。お君はどこからか仕立物を引き受けて来て、その駄賃で豹一の学資を賄った。
賃仕事だけでは追っ付かず、自分の頭のものや着物を質に入れたり、近所の人に一円、二....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
者で、昼間は庄屋の茂右衛門の家へ台所働きに行って、夜は自分の家に帰って近所の人の
賃仕事などをして、どうにか斯《こ》うにか片輪者の母を養っていたが、かれが容貌がい....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
は山抜け雪流より恐ろしくおぞ毛ふるって思い止れば、二十を越して痛ましや生娘、昼は
賃仕事に肩の張るを休むる間なく、夜は宿中の旅籠屋廻りて、元は穢多かも知れぬ客達に....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
。 自分の実子がある訳ではなく、食うに困る訳でもないのに、後には麦稈真田などの
賃仕事を引受け、僅かばかりの小銭を儲けることを楽みにしたり、すべてが次第に吝嗇臭....
「空襲警報」より 著者:海野十三
非国民とはなんだ。おれはこんなに貧乏して、ゴム靴の修繕をやり、女房は女房で軍手の
賃仕事をしているが、これでも立派に日本国民だッ。まじめに働いているのがなぜ悪いん....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
坂の片ほとり土佐町に、沢市という座頭あり。…… 妻のお里はすこやかに、夫の手助け
賃仕事…… とやりはじめ、唄でお山へのぼる時分に、おでん屋へ、酒の継足しに出た....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
そうであった。 「まあ、そうですか、いうのもお可哀相。あの方、それは、おくらしに
賃仕事をなすったでしょう。けれど、もと、千五百石のお邸の女※さん。」 「おお、ざ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
た寡婦がせっせと針仕事をしているだろう、あの人はたよりのない身で毎日ほねをおって
賃仕事をしているのだがたのむ人が少いので時々は御飯も食べないでいるのがここから見....
「雨」より 著者:織田作之助
った。お君は毎日どこからか仕立物を引き受けてきて、その駄賃で豹一の学資を賄った。
賃仕事だけでは追っつかず、自分の頭のものや着物を質に入れたり、近所の人に一円、二....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もっとも、これは作り話で、カトリーヌ・フォンテーヌの日ごろのおこないが普通の
賃仕事をしている女たちとは違って上品であったのと、白髪あたまになってもどこかに昔....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
房がいた。昔はさこそと思われる、今も美しい病妻であった。これも内職の仕立て物――
賃仕事にいそしんでいた。 ふと女房は手を止めた。そうして凝然と見詰め出した。あ....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
古綿を千切って捨てたようにくたくたに疲れていたが、それでも夜更くまで洋裁の仕立の
賃仕事をした。月に三度の公休日にも映画ひとつ見ようとせず、お茶ひとつ飲みにも行か....
「素晴しい記念品」より 著者:大倉燁子
てしまい、私の知っていた頃にはお母さんがお琴の師匠、池谷さんが漢学の先生、奥様が
賃仕事をしていた。奥様は恋女房だという噂であった、貧しいが他目にはいかにも楽しそ....