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賄方
「賄方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賄方の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
許さなかった。これが所謂『安政の本途値段』と称するものである。 こんな訳で、お
賄方の役人共は、もう不当の値段で物を買い入れたり、賄賂を貪ったりできなくなったが....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。二名の医者までいた。その堅い結び付きは、実際の戦闘力を有するものから、兵糧方、
賄方、雑兵、歩人等を入れると、千人以上の人を動かした。軍馬百五十頭、それにたくさ....
「蒲団」より 著者:田山花袋
白く思うようになった。旨味い南瓜を食べさせないと云っては、お鉢の飯に醤油を懸けて
賄方を酷めたり、舎監のひねくれた老婦の顔色を見て、陰陽に物を言ったりする女学生の....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
庭番にしたんだよ」 と友達は云った。 「だが奴さんそれでは満足しなかったので、
賄方に出世させてもらったんだ。まるで家の中は彼奴の思うように左右されてるようなも....
「病室の幻影」より 著者:豊島与志雄
粉か置いといてごらん。雀が屹度やって来るから。 女――はい。 看護婦――私が
賄方の所から貰って参りましょう。 女――そう、ではどうぞ。……あなた、今日は御....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
った。尤も猪肉は高いから鹿肉にして、葱《ねぎ》一束位と共に寄宿舎へ持ちかえって、
賄方の鍋釜を借りて煮焚きをした、そんなことで詩会席にいるよりも食事の調理に奔走す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
――お雪ちゃんが、こうして引続き野菜の料理専門にかかっているのは、この変態家族の
賄方《まかないかた》を引受けているというのみならず、このごろ入れた幾多の普請方の....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
、九――勘定していくと、どうしても一つ足らない。 特別の御用金に金座から大奥お
賄方《まかないがた》へ納めた分として一つ一つの小判の隅に、小さな桝目《ますめ》の....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
、坐相撲《すわりずもう》の噺《はなし》、体操、音楽の噂《うわさ》、取締との議論、
賄方《まかないかた》征討の義挙から、試験の模様、落第の分疏《いいわけ》に至るまで....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
第に大きくなるばかりでございます。今日のところでは、わたくしは主人に屈従している
賄方のようなものでございます。そう云う身の上は余り幸福ではございませんわね。それ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
断《ごんごどうだん》なものだぜ。二、三の病院を除くの外《ほか》大概は病人の食物を
賄方《まかないかた》任せにしてある。医者が不消化物を厳禁するかと思うと看護婦が賄....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
好む所に阿るのではない。 真志屋五郎作は神田|新石町の菓子商であった。水戸家の
賄方を勤めた家で、或時代から故あって世禄三百俵を給せられていた。巷説には水戸侯と....