賄賂[語句情報] » 賄賂

「賄賂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

賄賂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
めなぬし》の図書検閲が、陋《ろう》を極めている例として、自作の小説の一節が役人が賄賂《わいろ》をとる箇条のあったために、改作を命ぜられた事実を挙《あ》げた。そう....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
入れようとしたのだが、拘置所では靴をはくことは許されず、持って行った靴は守衛への賄賂になったのだ。「この草履はまずい！」銀造は、もう誰も追って来ないと判ると、息....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
慢の臍曲りだからな」 「家柄ばかり高家で、ぴいぴい火の車だからなあ」 「殿様は、賄賂《わいろ》に等しい付届だと、一口におっしゃるが、町奉行所へだって献残（将軍へ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら江戸の役人たちへ贈る品で、その当時は『権門』なぞと云いましたが、つまりは一種の賄賂です。表向きは金をやるわけにも行かないので、菓子折の底へ小判を入れたり、金銀....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いのである。こういう旅人は小田原や三島の駅にさまよっていて、武家の家来に幾らかの賄賂をつかって、自分も臨時にその家来の一人に加えて貰って、無事に箱根の関を越そう....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
大略左のごときことが認めてあるのを洩れ聞いた。 ――おまえは平生から官吏として賄賂をむさぼり、横領をほしいままにしている。その罪まことに重々である。就いては小....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
」と、先生は重い口で私にからかった。「君は誰と一緒に乗っていたかな。多代子さんに賄賂でも使って置かないと、飛んでもないことを素っ破抜かれるぜ。」 奥さんも私も....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
日のモデルとは意味が違って、いわば一種の春画である。それは幕府の役人に贈る秘密の賄賂で、金銭は珍しくない、普通の書画骨董類ももう古い。なにか新奇の工夫をと案じた....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
同年も越せぬというありさま故、満右衛門はほとほと困って、平野屋の手代へ、品々追従賄賂して、頼み込んだが、聞き入れようともせず、挙句に何を言うかときけば、 「――....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
、これでほぼ巡検の任務を果したのであった。 大勢はすでに定まった。今度の役人に賄賂は利かぬと見たので、お祭り騒ぎの行列も減じ、伺候する村役人も殆ど絶えた。 ....
「城」より 著者:カフカフランツ
た。というのは、わたしたちの役所では、事を簡単にして不必要な話なんか避けるために賄賂を取るには取りますけれど、それによって得るところなど何もないんです。しかし、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
から売上金をもらうだろうが、第一に、売却の場合言い値の金高できまるものじゃなく、賄賂の金高が物を言うんだから、この売上金というやつからして少ないものだし、そのう....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
っても容易に通れぬと言う。しかし関所の在る所を通って来る時分にはどうしても多分の賄賂を使わなければ通してくれぬということはかねて聞いて居りましたから、私はその巡....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
い、粘りの足りない子弟が多くて、世相のはげしさをうとましく思い、追従と暗中飛躍と賄賂とがあまりによく利くのに愛想をつかして、隠退する者が多くあった。彼らはひどい....
「俗臭」より 著者:織田作之助
では相場が分らぬまゝに、二束三文で売り渡した。相場が分り出して来ると、用度課長に賄賂を使った。同業見積者が増えて来れば「談合」の手を使った。市治郎、伝三郎、三亀....