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資性
「資性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
資性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
いるのである。保吉はやむを得ず弔辞に関する芸術的良心を抛擲《ほうてき》した。
「
資性《しせい》穎悟《えいご》と兄弟《けいてい》に友《ゆう》にですね。じゃどうにか....
「運命」より 著者:幸田露伴
、蓋し脱字にして、父君に別れ、儲位に立ちたまえる時は、正しく十六歳におわしける。
資性|穎慧温和、孝心深くましまして、父君の病みたまえる間、三歳に亘りて昼夜|膝下....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
運動にも一頓挫を来たしたについて、種々な事情がある。多くの公卿たちの中でも聡敏の
資性をもって知られた伝奏|姉小路少将(公知)が攘夷のにわかに行なわれがたいのを思....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
てこの子あり 和気清麻呂《わけのきよまろ》の第五子参議和気|真綱《まつな》は、
資性忠直|敦厚《とんこう》の人であったが、或時法隆寺の僧|善※《ぜんがい》なる者....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
。之は各種の所謂「転向」物とは一寸違った物語りなのだ。 聞く処によると、博士の
資性は決して実践家、政治家に適したものではないそうである。京大時代の博士は、学者....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
とだと彼は恋の失望の外の言い難き恨を呑まなければならぬこととなった。 然し彼は
資性篤実で又能く物に堪え得る人物であったから、この苦悩の為めに校長の職務を怠るよ....
「狼疾記」より 著者:中島敦
から今度は奇妙なことに、一転して御亭主たるM氏自身の伝記に変って、彼の経歴から、
資性温厚だとか、人以て聖人君子と為すとか、弔辞の中の文句に似た言葉が並んでいる。....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
ところから斯く綽名いたしたものかは確と分りませぬ。併し天性弱きを助け強きを挫ぐの
資性に富み、善人と見れば身代は申すに及ばず、一命を擲ってもこれを助け、また悪人と....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
日蓮の父祖がすでに義しくして北条氏の奸譎のために貶せられて零落したものであった。
資性正大にして健剛な日蓮の濁りなき年少の心には、この事実は深き疑団とならずにはい....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
肢体とを持っていた。 この少年は学業が優秀な方ではなかった。そして人間としての
資性も高いものであるとは見えなかった。しかも何か甘美な、訴えるものを持っている一....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
人ですが、教養では和らげられぬ国民的職業的偏見のさなかで、人間性のもっとも高貴な
資性をあまり失っていません。はじめ捕鯨船の甲板上で知りあい、この町で失業している....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
感がある。また同じ船乗りでも、商船の船乗りは酒よりも雰囲気や女をたのしむ通人的な
資性があるが、海軍々人ときてはただもう傍若無人に酒を浴びる風情で、あくまで勇壮カ....
「迷信解」より 著者:井上円了
術は天源術より出でたるものにて、もっぱら十二支にもとづき、人の生年月によりてその
資性、命運を判定し、もって治心の要法としたるものである。これらはいちいち弁明せず....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ば、私は確かに今よりも心の静かさと、潤いと、慈しみとを保ちうるであろう。私自らの
資性にとってそれが容易であり、成績においてもあるいは実り多いかもしれないのである....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
がた、見舞を兼ねて特に今度、井沢民事部長に行ってもらった次第だ。 両判事とも、
資性温厚、学者肌の人で、確執や怨恨関係なぞの、あるべきはずがない。部内でも、平素....