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「賑やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

賑やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
間でさえ、もの思わしげな三浦の姿が執念《しゅうね》く眼の前へちらついて、義理にも賑やかな笑い声は立てられなくなってしまいました。が、幸いとドクトルは、早くも私の....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
時には過去の生活が、とかくお蓮の頭の中に、はっきり浮んで来勝ちだった。彼女はあの賑やかな家や朋輩《ほうばい》たちの顔を思い出すと、遠い他国へ流れて来た彼女自身の....
老年」より 著者:芥川竜之介
いの話しや山城河岸《やましろがし》の津藤《つとう》が催した千社札の会の話しが大分賑やかに出たようであった。 座敷は離れの十五畳で、このうちでは一番、広い間らし....
星座」より 著者:有島武郎
その時尋常四年生の教室――それは壁一重に廊下を隔てた所にあるのだが――がきゅうに賑やかになって、砂きしみのする引戸を開くとがやがやと廊下に飛びだす子供らの跫音《....
クララの出家」より 著者:有島武郎
ララ自身も分らなかったが、当時ペルジヤの町に対して勝利を得て独立と繁盛との誇りに賑やか立ったアッシジの辻を、豪奢の市民に立ち交りながら、「平和を求めよ而して永遠....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
々が許でも、お休み下さりますお人たちに、お茶のお給仕をしておりますれば、何やかや賑やかで、世間話で、ついうかうかと日を暮しますでござります。 ああ、もしもし、....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の奇蹟を礼讃して行った。ラザルスの姉妹のマリーとマルタの家は、蜜蜂の巣箱のように賑やかになった。 そういう人達に取っては、ラザルスの顔や態度に新しく現われた変....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
なぞも火の消えたようなので、役者の中にはこれも困って夜店を出す者がある位で、実に賑やかなものだったが、それらの夜店商人が使う蝋燭は、主に柳橋の薩摩蝋燭といって、....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
物をぬいだ。 著物を脱ぎおろした時、外の方が大変騒々しくなって来た。阿Qは自体賑やかなことが好きで、声を聞くとすぐに声のある方へ馳け出して行った。だんだん側へ....
」より 著者:井上紅梅
だ」 と、二十余りの男も言った。 店の中の客は景気づいて皆高笑いした。小栓も賑やかな道連れになって懸命に咳嗽をした。康おじさんは小栓の前へ行って彼の肩を叩き....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
の脊骨を押し、押し込んだ後、土を掻き起して穴を封じた。 それから小庭の内は急に賑やかになった。窓口でも時々人が覗いて見る。 そうして遂に小さいのも大きいのも....
不周山」より 著者:井上紅梅
ていたが、地上にはそんなに多くはないし、大きい山を使ってしまうには惜しいし、時に賑やかなところにいって、小さいのを探すこともあったが、見ているものが冷笑し、痛罵....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ない小遣銭で、買えるような簡単な器械で、実験をも始めた。 ファラデーはある日|賑やかなフリート町を歩いておったが、ふとある家の窓ガラスに貼ってある広告のビラに....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ところで、何でも、その桜の枝と、瓢箪が、幇間の手に渡るのをきっかけに、おのおの賑やかなすて台辞で、しも手ですか、向って右へ入ると、満場ただ祇園の桜。 花咲かば....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
で、村では一番貧乏で、一番馬鹿にされて暮した家でしたが、子供を拾ってからは大変|賑やかな幸福な家になってしまいました。しかし太郎右衛門の家には田畑もないのに、子....