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「賛美歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

賛美歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三四郎」より 著者:夏目漱石
かくもして、美禰子の出てくるのを待つつもりである。 やがて唱歌の声が聞こえた。賛美歌《さんびか》というものだろうと考えた。締め切った高い窓のうちのでき事である....
あの時分」より 著者:国木田独歩
ましたが、私は頭を振って、黙って後ろのほうの席に小さくなっていました。 牧師が賛美歌の番号を知らすと、堂のすみから、ものものしい重い、低い調子でオルガンの一く....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ち、それはリグヴェーダ(Rig-Veda)の第一〇巻目の中にある見事な一二九番の賛美歌で、訳してみるとこうである。 一つの「有」もなく一つの「非有」もなかった、....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
徒達と一緒に見送りに行った。松の多い静な小山の上にOの遺骸が埋められた。墓地でも賛美歌が歌われた。そこの石塔の側、ここの松の下には、Oと同級の生徒が腰掛けたり佇....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
立てず、フワリフワリと空中に浮いてでもいるように。 四月四日 日曜で早朝楽隊が賛美歌を奏する。なんとなく気持ちがいい。十時に食堂でゴッテスディーンストがある。....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
聖者であるかのように感ずることさえありました。 私はあなたの熱心な祈りをきき、賛美歌を共にうたいました。これまで永い間私はあまり荒々しい人々のなかにのみ棲みす....
字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
茶碗に靴下留がはいっていたり、エマアソンス・エッセイスに肌着がかぶさっていたり、賛美歌の上に煙草の吸殻をおいたり――そしていよいよ伯母さん到着の時刻になると、ジ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていた。老人は独《ひと》り言をいったり、馬鹿野郎と自分をけなしてみたり、あるいは賛美歌の断片や感傷的な歌曲《リード》や戦《いくさ》の行進曲や酒の唄《うた》などを....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
古い歌曲《リード》の原文を、古い霊歌の原文を、好んで捜し求めた。けれども彼はその賛美歌的性質を存続させまいと用心した。大胆なほど通俗な生き生きとした方法で取り扱....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かったのに比べて実に歓《よろこ》ばしい響きであった。暗やみのうちから伝わって来る賛美歌で、夜の暗い恐ろしい静寂のうちにおける祈祷《きとう》と和声との光耀《こうよ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
て目を伏せた。彼は自由の冷ややかな愛人であった。彼の言葉は痛烈な霊感の調を帯び、賛美歌の震えを持っていた。彼は思いもよらない時に翼をひろげた。彼のそばにあえて寄....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
しない。ただ砂糖の結晶の美しさに打たれて、身じろぎもせず仰ぎ見ていました。まるで賛美歌を歌っている修士のように。 私は小さな赤ありの姿に憐みの心を起こし、ふた....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
っすりと眠りこけてしまった。 どのくらいたったか私は無情にもたたき起こされた。賛美歌の声に送られながら私は再び夜の町に追い出されたのである。四月には珍しい寒い....