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賛辞
「賛辞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賛辞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
が、彼には到底及ばなくとも、かなり高い所まで矢を飛ばすと、反《かえ》ってその方へ
賛辞を与えたりした。
容貌の醜い若者は、それでも快活に矢を飛ばせ続けた。すると....
「或る女」より 著者:有島武郎
がかすかに動くだけだった。
「あんなに謙遜《けんそん》な岡君も(岡はあわててその
賛辞らしい古藤の言葉を打ち消そうとしそうにしたが、古藤がどんどん言葉を続けるので....
「読書法」より 著者:戸坂潤
呉れたが、それを見ると、前のドイツ語の方の本に対する「独仏」における大家(?)の
賛辞が付録になっている。ブランシュヴィク氏やリッケルト氏は月並の無意味なお世辞を....
「病室の花」より 著者:寺田寅彦
目で見ればこれは確かに間違っている。しかし前の解説を書いた美術批評家は上のような
賛辞を呈している。この批評家のいっている事はずいぶんいいかげんのようにも思われる....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
気球が、ぷかりぷかりと浮んでいた。 「ああ、綺麗だなあ」 と、彼は見当ちがいの
賛辞をのべた。 道ゆく人が、探るような目で、彼の顔を覗きこんでいった。 (ミス....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
ても、そこは女らしいとか、まあかわいいとか、天使のようだとか、何とか、都合のいい
賛辞でも呈しておかねばならないものなのである。礼儀だから。 ところで私自身、ま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
した。父の妙技が賛《ほ》められるのを聞く時、あるいはメルキオル自身で人から受けた
賛辞を誇張して述べたてる時、彼は得意の情に顔を輝かした。彼は父のおおげさな自慢話....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
大公爵の動物園の中の珍しい動物のように人々から見做《みな》されてる、と彼は考え、
賛辞は自分へよりもむしろ大公爵へ向けられてる、と考えていた。自分がいかにも卑しめ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た、ブラームスは自然さのなんたるやを一|生涯《しょうがい》知らなかったので、その
賛辞は最もひどい非難になるわけであって、また、自分――クリストフ――は、彼女がち....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とは皆、なぜ言っていけないのだ。 予 お前はとくに悪口を言いたがる。 クリストフ
賛辞はあとから来るんだ。キリスト教徒によりもユダヤ人に、いっそう遠慮をしなければ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を、また、きれいだと自分でも知り人からそう言われるのを、しみじみと楽しんだ。父の
賛辞や不用意な言葉だけでも、彼女を自惚《うぬぼ》れさせるに十分だった。 父は彼....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
念なことだった。しかしそれは些事《さじ》にすぎなかった。そのうえ、彼らにたいする
賛辞も、またクリストフにたいする
賛辞でさえも、他の音楽家らにたいする非難ほど重大....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
嫌《いや》な顔をしてみせる理由が、彼にはよくわからなかった。彼らはりっぱな言葉や
賛辞をやたらに振りまくではないか。しかしエマニュエルの悲惨を和らげようとは少しも....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
員らは「震え上がった。」その描出がすんで彼は、翌朝のプレフェクチュール紙の大なる
賛辞をかち得んための抑揚《よくよう》をもって言を進めた。――そして被告は実にかく....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
。 「しっかりしてる!」と憲兵のそばの一人の女が言った。 その不逞《ふてい》な
賛辞は私を元気づけた。司祭が私のそばに来て席を占めた。私は馬のほうに背を向けて後....