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賞する
「賞する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賞するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
を打った。が、三度目にはまた甚太夫が、したたか兵衛の小手を打った。綱利は甚太夫を
賞するために、五十|石《こく》の加増を命じた。兵衛は蚯蚓腫《みみずばれ》になった....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
フィレンツェの生活を知らなかったとしたら、自分は神曲を、今日《こんにち》の如く鑑
賞する事は出来なかったのに相違ない。自分は云う、あらゆる芸術の作品は、その製作の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
なりません。価値は古来信ぜられたように作品そのものの中にある訳ではない、作品を鑑
賞する我我の心の中にあるものであります。すると『より善い半ば』や『より悪い半ば』....
「海底大陸」より 著者:海野十三
「なァに、スズキなんかいくらつってみてもだめさ。いくらでもいるスズキなんか、入
賞するはずがないよ。それよりか、めずらしい魚をつった方が勝ちなんだ。おれを見ろ。....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
と――生花の宗匠――生花の流派、形式派と写実派 第七章 茶の宗匠 芸術を真に鑑
賞することはただ芸術から生きた力を生み出す人にのみ可能である――茶の宗匠の芸術に....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
術的な神技であろう、と真佐子は口を極めて復一のこれから向おうとする進路について推
賞するのであった。真佐子は、霊南坂まで来て、そこのアメリカンベーカリーへ入るまで....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ので、下町からわざ/\上ってくる見物もなか/\多かった。藤や菖蒲は単にその風趣を
賞するだけであったが、躑躅には色々の人形細工がこしらえてあるので、秋の団子坂の菊....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
折々繰返されてるが、斯ういう軽侮語を口にするものは、今の文学を研究して而して後鑑
賞するに足らざるが故に軽侮するのではなくて、多くは伝来の習俗に俘われて小説戯曲其....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
落人のそれならで、そよと鳴る風鈴も、人は昼寝の夢にさえ、我名を呼んで、讃美し、歎
賞する、微妙なる音響、と聞えて、その都度、ハッと隠れ忍んで、微笑み微笑み通ると思....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
きます。なおその外にも、病監の前に数株の桜がありますから、近いうちにはこの花をも
賞することがあるのでしょう。 月あり、花あり、しこうしてまた鳥も居ります。本も....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ウオルムスの城内のおいていたく歓迎され、ことに武芸を闘わして、クリームヒルトの嘆
賞するところとなった。しかし姫は、それから一年もジーグフリードとは遇わず、ただ居....
「映画の普及力とは」より 著者:伊丹万作
きれないからである。そして、そうなつたあかつき一般の家庭においていながら映画を観
賞する風景を想像することは楽しいというよりもむしろ少々そらおそろしい感じをさえ伴....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
じ俳諧に遊び泥画を描き人形を捻る工房となっていた。椿岳の伝統を破った飄逸な画を鑑
賞するものは先ずこの旧棲を訪うて、画房や前栽に漾う一種異様な蕭散の気分に浸らなけ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ーに着す。両岸の風光自然に秋色を帯び、林間の瓦壁、黄葉と相映ずるところ、大いに吟
賞するに足る。 一帯清流曲幾回、千涯秋影入異、黄葉林間瓦壁堆。 (帯のように清ら....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
まりです。その狙いは、油絵も、中国画も本物は一枚だ。これでは或る一部分の人しか鑑
賞することができない。特に油絵などは画材が舶来品で高いから大衆向きでない。版画は....