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賢さ
「賢さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賢さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「想片」より 著者:有島武郎
は第四階級の任意である。それを第四階級者が取り上げたといったところが、第四階級の
賢さであるとはいえても、第三階級の功績とはいいえないではないか。この意味において....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
好きでもないくせに、誘惑したように……今度はまた!」と、いって新子は、その平生の
賢さに似ず、なまめかしいまでの羞恥に、もだえて両手で顔を掩うた。 「今度は、また....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
う、そうか。ねずみのまねをしたと申すか。目から鼻へ抜けるというたが、いかさまその
賢さならば、右門のおじさんの弟子《でし》になっても、ずんとまにあいそうじゃな。で....
「新生」より 著者:島崎藤村
側へ行って子供らしい遊戯の仲間入をしている。賢は用心深く中根の側にばかり居て、「
賢さん、
賢さん」と岸本の子供に呼ばれても父親から離れようとはしなかったが、そのう....
「地上」より 著者:島田清次郎
でには無意識の裡に数知れない苦痛と悩みを忍耐して来たに相違はない。各人の素質には
賢さや愚さの相違はあろう。その相違は男を弄ぶか、男を楽しむか、男に弄ばれるか、男....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
して下さるほうが、あなたのおためになるのです。――あなたは人間を成功させるための
賢さはみんな持っている。――ところで世才はおありですか?」 私はそのぶしつけな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は結婚するつもりでいた。二人はたがいに相手のうちに、真面目な美点や堅固な信仰や悪
賢さなどを見てとっていた。しかし彼らは急いできめてしまおうとはしなかった。たがい....
「環礁」より 著者:中島敦
いという訳ではない。そうかといって(大抵の邪悪な顔には何処《どこ》か狡《ずる》い
賢さがあるものだが)悪賢いという柄でもない。
賢さなどというものは全然見られぬ・愚....
「おさなごを発見せよ」より 著者:羽仁もと子
接触の仕方は、赤ん坊自身にあたえられているその生きる力の強さを信じて、落ちついた
賢さをもってその要求その状態をはっきりと知り得ることです。 赤ん坊は何かちょっ....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
破壊し拒否する男に処世術の枠をはめこもうとしてもだめである。 *188
賢さとは生温いことである。――現代人の尺度――
賢さとは冷たいことである。――....
「新しい船出」より 著者:宮本百合子
だ眼元の表情で身をおちつけるのである。 この点での現代の若い女のひとの自嘲的な
賢さというものを、それらの人たちは何と見ているだろう。もっともわるい意味での女ら....
「異性の友情」より 著者:宮本百合子
て求め、その求めてゆく心にいつしか日本の社会の古い古い陰翳が落ちて、新しい世代の
賢さから生れる家政上手に信頼をつなごうとするより、そのことではむしろ旧套にたよっ....
「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
かし、そればかりではないものもある。芥川のなかに潜んでいた或る弱さ、或る常識的な
賢さ、それらのものも、彼の目を馬琴に向けさせる力となったと云える。馬琴自身は芸術....
「家庭裁判」より 著者:宮本百合子
んです、そしてまた女をこんな風にした社会を作ったのも男達なんです、ですけど「女の
賢さはほんとうのものじゃない、小ざかしくて失敗や損ばかりする」といった男たちはほ....
「家庭と学生」より 著者:宮本百合子
う。体の健やかな共稼ぎの出来る能力のある女性や積極的に日々を展開してゆける機転と
賢さと生活力を湛えた女性をこそ必要とするのだと、はっきり男として自身の感情の方向....