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賢しい
「賢しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賢しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「語られざる哲学」より 著者:三木清
むべきかを知るであろう。私は剛情な子供が我儘《わがまま》を押し通そうとしたとき、
賢しい母親に妨げられそれがよくないことであることを諭されて自分で会得したとき、一....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を通り越して、この頃の澹山は彼女の顔をみるのが何だか恐ろしいようにも思われた。小
賢しい江戸の女を見馴れた澹山の眼には、何だかぼんやりしたような薄鈍い女にみえなが....
「足迹」より 著者:徳田秋声
夢中になっていることだけは確かであった。母親がそっと小原に様子を訊いてみると、小
賢しい小原はえへら笑いばかりしていて容易に話さなかった。 「どんな女でござんすか....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
と同居していた。ある冬の夜に、兄は所用あって外出し、今夜は戻らないという。兄嫁は
賢しい女であるので、夫の出たあとで徐四に言った。 「今夜は北風が寒いから、煖坑(....
「死者の書」より 著者:折口信夫
。此|爽やかな育ての君の判断力と、惑いなき詞に感じてしまった。ただ、涙。こうまで
賢しい魂を窺い得て、頬に伝うものを拭うことも出来なかった。子古にも、郎女の詞を伝....
「初恋」より 著者:国木田独歩
よいお祖父さんたるに過ぎない。僕は一か月も大沢の家へ通ううち、今までの生意気な小
賢しいふうが次第に失せてしまった。 前に話した松の根で老人が書を見ている間に、....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
てしまった。 「まあ、何をなさるのよ。」と彼女はつめ寄ってきた。 眼瞼の薄い小
賢しい眼が、妙に黝《くろ》ずんだ光りを帯びて、緊りのない脹れっぽい顔付に、一寸敵....
「女客一週間」より 著者:豊島与志雄
きりだ。だが今夜、彼女は一人で、泊るつもりで闖入してきている。バーの女給から、小
賢しい変に真面目な女性に蝉脱している。白粉気が少くて、耳朶が一寸美しい。いつもの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
わね。さあ、ジャック。貯水場の建物のところまで二人で競走しましょう」 彼女の小
賢しいアラビヤ馬は飛鳥のごとくに駈け出したので、わたしの騎兵用軍馬もすぐに後から....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
に閉ざされているのであった。それから、グレプニツキーは、土人小屋に収容されたが、
賢しい紅琴は、早くもただならない、二人の気配を悟ることができた。 「そもじ二人は....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
等には創造の智慧がない。積極的建設の勇気がない。唐様で書く三代目として、彼等の小
賢しい態度を笑わざるを得ないのである。 この日私は、偶然にも日活の堀社長に会っ....
「山の人生」より 著者:柳田国男
しえない結果になったか知らぬが、そのかわりにはなつかしい我々の大昔が、たいして小
賢しい者の干渉を受けずに、ほぼうぶな形をもって今日までも続いてきた。例えば稚くし....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
、今日の家庭のような自由な時間、自由な教育のもとで一歩を誤まると、或いは多くの小
賢しい人が踏み迷うたように、何でもかでも文字の排列してある紙さえ見ておれば、それ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
頤の頬の肥えた、そうして七面鳥のように胸の高く張った堂々とした内儀さんであった。
賢しい智識からこれと深められた目色は見えぬが、ただの農民の妻だったに過ぎぬが、い....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
の問答は、いずれの土地の伝説でも、皆かならず前者の勝利をもって結ばれている。その
賢しい童児は実は神様の化現であったなどというのを見ると、単なる民間文芸の趣向では....