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賤民
「賤民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賤民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
のはなかった。葉子の目から見た親類という一群《ひとむ》れはただ貪欲《どんよく》な
賤民《せんみん》としか思えなかった。父はあわれむべく影の薄い一人《ひとり》の男性....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
声を慄わせ身悶えまでして、私の身を残酷にお洗いたてになるのでした。馬具屋の娘……
賤民ですって。それから、竜見川学園の保姆……それはまだしもで、私は寄生木とまで罵....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
しませず、慈悲も憫れみもない親族どもは、私をカゴツ(中欧から北にかけて住む一種の
賤民)の群れに売り渡してしまったのです。そうして、普魯西から波蘭を経て、魯西亜の....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
見れば何でもないように思うが、四十年前俳優がマダ小屋者と称されて乞食非人と同列に
賤民視された頃に渠らの技芸を陛下の御眼に触れるというは重大事件で、宮内省その他の....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
るのである。 高野に谷の者なる一群の住民があった。もと山内の雑務に役する一種の
賤民で、なお京都で河原者・坂の者など言われた輩と同じく、社会の落伍者が、谿谷の間....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
道」は、死者の葬儀や位牌の書き方等を示したものである。王公卿相以下、所謂三家者の
賤民の徒に至るまで、それぞれにその身分に応じて位牌の書き方を例示してある。その著....
「西航日録」より 著者:井上円了
博物館を一覧し、スピノザ翁の銅像に参拝す。 遠尋遺跡入蘭東、像立海牙城市中、身起
賤民成碩学、応知翁亦一英雄。 (遠く遺跡をたずねて蘭東部に入る。スピノザの像は海....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
活と称するも、その実三十万人くらいならんとの説なり。この水上に住する人民は一種の
賤民にして、陸上に住するものと交際せず、冠婚葬祭も陸上とは全くその縁を絶ち、水居....
「来り人の地位と職業」より 著者:喜田貞吉
そんなに人の嫌がる仕事をせずとも、その職によって立派に生活して行けるから、あえて
賤民非人の扱いを受ける様な事はなかったであろうが、それでもなお「筋」が違うという....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
餌取はもと主鷹司被管の雑戸で、後世の餌差と同一のものであった。彼らがもと必ずしも
賤民でなかったことは、別項「餌取考」に於いて述べておいた通りである。そしてそれが....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
と歴史」を発行致し候うについても、その綱領の一つとして、 本誌は特に過去に於ける
賤民の成立変遷の蹟を詳らかにし、今なお時に疎外せらるるの傾向を有する、同情すべき....
「「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
い。近く新村博士が「経済論叢」(大正七年一月発行四巻一号)に於いて発表せられた「
賤民名称考」の如きも、またこの餌取説を祖述せられたものである。そしてかく申す自分....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
われぬ。ことに聖人はその「善無畏三蔵鈔」において、 日蓮は安房国東条片海の石中の
賤民が子なり、威徳なく有徳の者にあらず。 と云い、「中興入道消息」に、 日蓮は中....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
「
賤民」の研究は我が民衆史上、風俗史上、最も重要なる地位を占むるものの一つとして、....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
れを「穢多」といっている。余が郷里なる阿波では江戸時代までも掃除と呼ばるる一種の
賤民がおって、後には猿牽の徒と混じて通称「サル」と呼ばれ、多くは遊芸をもって渡世....