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賭
「賭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いたくない。
その沙金を、おれは今、肉身の弟に奪われようとしている。おれが命を
賭《か》けて助けてやった、あの次郎に奪われようとしている。奪われようとしているの....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
れない。現に彼も昨日《きのう》の午後はこの一枚の十円札の上に彼の魂《たましい》を
賭《か》けていたのである。しかしもうそれはどうでも好《い》い。彼はとにかく粟野さ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
を吐《は》くと、さびしい微笑を帯びた声で、『君は昔、神風連《しんぷうれん》が命を
賭《と》して争ったのも子供の夢だとけなした事がある。じゃ君の眼から見れば、僕の結....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
以来忘れたように、ばったり痛飲を試みなくなった。いや、痛飲ばかりではない。吃喝嫖
賭《きっかつひょうと》の道楽にも、全然遠のいてしまったのである。趙生を始め大勢の....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
私の前に、札《ふだ》をつきつけながら、
「さあ、引き給え。僕は僕の財産をすっかり
賭ける。地面も、家作《かさく》も、馬も、自働車も、一つ残らず
賭けてしまう。その代....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
レニン
わたしの最も驚いたのはレニンの余りに当り前の英雄だったことである。
賭博
偶然即ち神と闘うものは常に神秘的威厳に満ちている。
賭博者《とばくしゃ》....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
そうして、この手紙を御面倒ながら、御一読下さい。これは私が、私と私の妻との名誉を
賭《と》して、書いたものでございますから。
かような事を、くどく書きつづけるの....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
吉はちょいと大浦を見た。大浦自身の言葉によれば、彼は必ずしも勇士のように、一死を
賭《と》してかかったのではない。賞与を打算に加えた上、捉《とら》うべき盗人を逸《....
「或る女」より 著者:有島武郎
う声がした。
「そうらしいね」
博士《はかせ》の声には笑いがまじっていた。
「
賭博《ばくち》が大の上手《じょうず》ですって」
「そうかねえ」
事務長の話はそ....
「或る女」より 著者:有島武郎
「岡だろう」
といった。
「いゝえきっと正井さんよ」
「なあに岡だ」
「じゃ
賭《か》けよ」
葉子はまるで少女のように甘ったれた口調でいって玄関に出て見た。....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ぬれな着物のままでまたぶらりと小屋を出た。この村に這入りこんだ博徒らの張っていた
賭場《とば》をさして彼の足はしょう事なしに向いて行った。
(五)
....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ててもその生命の緊張を保とうとするその心持はよく解る。 然しながら私には生命を
賭しても主張すべき主義がない。主義というべきものはあるとしても、それが為めに私自....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
る魔軍といえども、到底これに一指を染め得ないであろう。折角の大祭日が暴飲暴食と、
賭博と、淫楽とに空費せらるることは、たまたま地上の人類が、いかに神霊上の知識に欠....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の画集だった)僕はいつか憂鬱の中に反抗的精神の起るのを感じ、やぶれかぶれになった
賭博狂のようにいろいろの本を開いて行った。が、なぜかどの本も必ず文章か挿し画かの....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いたのがこの深夜の騎兵だった。そこで、彼は相手に競走を申し入れ、ポンチ酒を一鉢|
賭けた。当然それは彼のものになるところだった。デアデヴィルは化け物馬を完膚ないま....