賭事[語句情報] »
賭事
「賭事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賭事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
そりゃア旦那が勝手に仰しゃったので、私が千両下さいと云ったのじアねえのです、私ア
賭事ア性来嫌いです」 助「左様だろうが、これは別物だ」 長「何だか知りません....
「縮図」より 著者:徳田秋声
わかり、その心情が痛ましくなり、小僧を二人もつかっていた相当の靴屋を、競馬道楽や
賭事で摺った果てに、自転車を電車にぶっつけ、頭脳に怪我をしたりして、当分仕事もで....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
ていた。だいいち、ひどく朝寝坊だ。若殿と二人で夜おそくまで、宿の女中にたわむれて
賭事やら狐拳やら双六やら、いやらしく忍び笑いして打興じて、式部は流石に見るに見兼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
甘ったるい思いをしながら、ほくほくと出かけて行きました。集まりというのは、何かの
賭事《かけごと》を意味しているこの一連の、どうらく者の集まりに相違ない。 残さ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
からだを横たえつづけている。 こうして一週間ばかりの日がたった。 大胆な
賭事 「やあ、課長さん」 きちんとした身なりの長身の紳士が、のっそりと田山課長....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
ね」 「来年から年一つ若くなるんだよ。だけど、麻雀やカードは話せるなあ」 私は
賭事、勝負事は三度の御飯より好きなのです。私は夢中になって勝とうと致します。その....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
していた。彼は云った。 「僕は君と交りを絶つ前に一言云っておく。生死を背景にした
賭事《かけごと》は云わないようにし給え。これが僕の最後の忠告だ。」 「あり難う。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しい娘を、しかも向うからもちかけても来なかった娘を、突然妻に選ぼうとは、まったく
賭事《かけごと》みたいな沙汰《さた》らしく見えるのであった。 しかしメルキオル....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
には目をさますに至るけれど、それもずっと後のことである。それまでは、幸と不幸との
賭事《かけごと》の中で局外者のように平気でいる。彼らはその間に置かれた賭金であり....
「青春論」より 著者:坂口安吾
ども、金銭を賭けることは全く好まぬ。むしろ、かかる人々を憎み蔑むのである。大体、
賭事というものは運を天にまかして一か八かというところに最後の意味があるのである。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
た、小智恵のきく子で、どうかすると、遠まわしに竜一の親たちの陰口をきいたりする。
賭事ではむろん由夫がうわ手である。今日も、彼は、竜一をうまくおだてて、蝗の首取り....
「白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
男なんだが、競馬ですっかり失敗して、今ではロンドンのスポート倶楽部で、内々小さな
賭事の胴元をやって暮してるということだ。持っていた賭帳を調べてみると、白銀の競走....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
から見ると知己を感じるのかも知れない。 負けて手紙をよこしたというのは、ない。
賭事をやる人間は、負けた時は黙々として健忘症となり、勝った時の記憶だけは死ぬまで....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
秘訣(第百二十六段)を引いて物事には機会と汐時を見るべきを教えている。この他にも
賭事や勝負に関する記事のあるところを見ると著者自身かなりの体験があったことが想像....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
ように、いずれはなるでござりましょうよ。どっちが先に手に入れるか? こいつ面白い
賭事でござる。……勝つには是非とも白河戸郷を、何より滅ぼさなければならないようで....