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賭場
「賭場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賭場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ぬれな着物のままでまたぶらりと小屋を出た。この村に這入りこんだ博徒らの張っていた
賭場《とば》をさして彼の足はしょう事なしに向いて行った。
(五)
....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ろもない。二代目の次郎左衛門は長い脇指《わきざし》の柄《つか》をそらして、方々の
賭場へ大手を振って入り込んだ。父が三回忌の法事を檀那寺で立派に営んだ時には、子分....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
がそこを隠れ家にしているのか。あるいは博奕打ちの仲間がそこに入り込んで、ひそかに
賭場を開いているのか。二つに一つであろうと彼らが判断したのも無理はなかった。 「....
「入れ札」より 著者:菊池寛
兄い、足は大丈夫かい。 九郎助 何を世迷言をいいやがる。こう見えたって若い時は、
賭場が立つと聞いた時は、十里二十里の夜道は平気で歩いたものだ。いくら年が寄っても....
「勝負事」より 著者:菊池寛
御厩の長五郎という賭博《ばくち》の親分の家に、夜昼なしに入り浸っている上に、いい
賭場が、開いているというと、五里十里もの遠方まで出かけて行くという有様で、賭博に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のそばには藤代大二郎という旗本屋敷のあることを半七は知っていた。その屋敷のうちに
賭場《とば》の開かれることは、お豊が今の口ぶりで大抵推量された。 「お察しの通り....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
百両を出すことになったんですが、悪銭身に付かずの譬《たと》えで、寅松はその百両を
賭場ですっかり取られてしまって、おまけに盆の上の喧嘩から相手に傷をつけて、土地に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
調べにくいのですから、昔は猶更そうでしたろうね」 「見す見す武家の屋敷内に大きい
賭場が開けているのを知っていても、町方の者が踏み込むことの出来ない時代ですから、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りの旗本屋敷の馬丁でした。こいつはちょっと苦《にが》み走った小粋な男で、どこかの
賭場でお角と懇意になって、それから関係が出来てしまったんです。お角のところへたず....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
晩じゃありません。でも作さんは大抵毎晩どこかへ出て行くようです。山の手にも小さい
賭場がたくさんあるそうですから、大方そこへ行くんでしょう」 「よし、判った。てめ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
には怪しい事もありませんでした。鬼が出るなどと云い触らして、土地のごろつきどもの
賭場になっていたらしいのです。 食事は監理部へ貰いに行って、米は一人について一....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
。すると、その遊び人のような男が、 『どうです、親方。花川戸の辰親分の内で、いい
賭場が開いていますぜ』と云うじゃありませんか。これで見ると、染之助という男は、こ....
「入れ札」より 著者:菊池寛
に段々|凌がれて来た事を、感じていた。そればかりでなく、十年前までは、兄弟同様に
賭場から
賭場を、一緒に漂浪して歩いた忠次までが、何時となく、自分を軽んじている事....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、私が口から小可愧くもなく意見が出来ようというなあ、その役介者ばかりでさ、昔だと
賭場の上へ裸でひッくり返ろうという奴なんで、」 「何を、詰らねえ、」 「いいえ賭....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
ぎょッとして思わず心で叫びながら、立ち縮んだ。辰馬に誘われ、初めて行ってみた
賭場に運悪く手入れがあって、二人は命からがらここまで落ちのびて来たのである。 ....