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賽
「賽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
当《あ》てになるものではございません。いや、わたしの量見《りょうけん》では、まず
賽《さい》の目をたのむよりも、覚束《おぼつか》ないと覚悟をきめていました。
甚....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
分かの間は、当人同志は云うまでもなく、平常は元気の好い泰さんさえ、いよいよ運命の
賽《さい》を投げて、丁《ちょう》か半《はん》かをきめる時が来たような気がしたので....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
艘。
5
この帆前船の内部。紅毛人の水夫が二人、檣《ほばしら》の下に
賽《さい》を転がしている。そのうちに勝負の争いを生じ、一人の水夫は飛び立つが早い....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
が、またこの門生の口一ツで、見事、纏る縁も破ることは出来たのだったに。 ここで
賽は河野の手に在矣。ともかくもソレ勝負、丁か半かは酒井家の意志の存する処に因るの....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
やっているのは、江戸絵にある通りです。この辺の、のでん賭博というのは、数人寄って
賽を転がしている鼻ッ張が、田舎者を釣りよせては巻き上げるのですが、賭博場の景物に....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ぬ。この室を五十三に割って双六の目に合せて、一人ずつ身体を進めるが可かろう。……
賽が要る、持って来い。 (侍女六七、うつむいてともに微笑す)――どうした。 侍女....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
人の座敷へ投込んで頂きたいでしゅ。気絶しようが、のめろうが、鼻かけ、歯かけ、大な
賽の目の出次第が、本望でしゅ。」 「ほ、ほ、大魚を降らし、
賽に投げるか。おもしろ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ど、まるで足りない。煩っていなさる母さんの本復を祈って願掛けする、「お稲荷様のお
賽銭に。」と、少しあれたが、しなやかな白い指を、縞目の崩れた昼夜帯へ挟んだのに、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ゃんと極って、間違いのない事をいたしました。」 「どうしたかね。」 「五人|徒が
賽の目に並んでおります、真中へ割込んで、まず帆を下ろしたのでござります。」 と....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
にしたのです。 (ああ、身震がするほど上手い、あやかるように拝んで来な、それ、お
賽銭をあげる気で。) と滝縞お召の半纏着て、灰に袖のつくほどに、しんみり聞いて....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
命、へい、何にいたせ、それは御心配な事で。お怪我がなければ可うございます。」 「
賽の河原は礫原、石があるから躓いて怪我をする事もあろうかね。」と陰気に差配。 「....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
れて萎えた綿入のだらけた袖口へ、右の手を、手首を曲げて、肩を落して突込んだのは、
賽銭を探ったらしい。 が、チヤリリともせぬ。 時に、本堂へむくりと立った、大....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
てよ、錦の帳を棒の尖で上げたり下げたりして、その度にわッと唸らせちゃあ、うんと御
賽銭をせしめてやがる。そのお前、前へ伸上って、帳の中を覗こうとした媼があったさ。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
というものの性質をよく御存じない為めかと存じます。お宮というものは、あれはただお
賽銭を上げて、拍手を打って、首を下げて引きさがる為めに出来ている飾物ではないよう....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
句の果には、誰かが木の葉がお金であったらいいといったのを聞いたとかで、観音様の御
賽銭をつかみ出して、それを降らせたりしたので、その騒ぎといったらありませんでした....