賽の目[語句情報] » 賽の目

「賽の目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

賽の目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せて、近所に世帯を持たせてあるが、道楽者の長作は大工というのは表向きで、この頃は賽の目の勝負ばかりを争っている。舅《しゅうと》の峰蔵も心配して、いっそ娘を取り戻....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て法水の神測が適中していた。と云うのは、奥の長櫃の上で、津多子夫人は生死を四人の賽の目に賭けて、両手を胸の上で組み、長々と横たわっているのであった。その端正な美....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
行け。 (かくして順々に繰返し次第に進む。第五の侍女、年最も少きが一人衆を離れて賽の目に乗り、正面突当りなる窓際に進み、他と、間隔る。公子。これより前、姿見を見....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
人の座敷へ投込んで頂きたいでしゅ。気絶しようが、のめろうが、鼻かけ、歯かけ、大な賽の目の出次第が、本望でしゅ。」 「ほ、ほ、大魚を降らし、賽に投げるか。おもしろ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ゃんと極って、間違いのない事をいたしました。」 「どうしたかね。」 「五人|徒が賽の目に並んでおります、真中へ割込んで、まず帆を下ろしたのでござります。」 と....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
であった。呼込んだ孫八が、九郎判官は恐れ多い。弁慶が、ちょうはん、熊坂ではなく、賽の目の口でも寄せようとしたのであろう。が、その女|振を視て、口説いて、口を遁げ....
露肆」より 著者:泉鏡花
、剪刀、剃刀磨にイ、一度ウ磨がせましても、二銭とウ三銭とは右から左イ……」 と賽の目に切った紙片を、膝にも敷物にもぱらぱらと夜風に散らして、縞の筒袖|凜々しい....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
、この場の光景を」 更に一層凄くなり、 「上海仕立ての遊戯室、世間へ明かしたら賽の目だ、無いぞないぞ、汝の命は! 痛えどころか殺すぞよ!」 グッと睨んだが考....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
やがて、検事がいそいそとして、その意味を口にした。 「君は早々に、この事件の賽の目を、二つだけにしてくれた――その事は、何んと云っても感謝するよ。幡江が、自....
香熊」より 著者:佐藤垢石
たのである。加役に根深と芹を刻んで鍋に入れ、少々味噌を落として汁を作り、それから賽の目に切った熊の肉を投じ、ふつふつと煮立てて口へなげ込んだところ、まことに濃澹....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
次に出た鯨肉の水たきが俄然食欲を煽動する。加役に葱、新菊、豆腐の入った鍋の中を、賽の目に刻んだ鯨が泳いでいる。 食った、食った。額からも、胸からも汗が滝のよう....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
、普の道楽者の十倍も余計に女の肌を知り尽して来はしたものの、いまだ、ただの一度も賽の目を争ったことはなし、まして人様の物を、塵ッ端一本でも盗んだ覚えは、露さらあ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ばらと追詰める連中の、ある者は右へ退き、ある者は左へ避け、三人五人前後に分れて、賽の目のように散らばった。 要こそあれ滅多|当に拳を廻して、砂煙の渦くばかり、....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
のであろうが、斯る徒の癖として重蔵は懐中から小さな賽を取出した。二人は焚火の傍で賽の目の勝負を争った。 斯る賭博に喧嘩の伴うのは珍しくない。二人は勝負の争いか....
一癖あるどじょう」より 著者:北大路魯山人
――というのもある。柳川は日本一の優良すっぽんの出るところ。一望千里の田野を縫う賽の目のような月水|濠は、すっぽんとともに優良などじょうを産する。ほかでは見られ....