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贄
「贄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
贄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の唸る声がきこえた。 「望みを遂ぐる時節も近づいたと思うたら、丁度幸い男と女の生
贄《いけにえ》を手に入れた」 男の唸り声も玉藻の声もそれぎりで聞こえなくなった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とに決められてしまった。 諸人の不安がだんだん募って来た時、鬼娘は更に第三の生
贄を求めた。それは庄太のとなりに住んでいるお作という娘であった。庄太の家はかの酒....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
曾へ、木曾へのきっかけに出た話なんですから、私たちも酔ってはいるし、それがあとの
贄川だか、峠を越した先の藪原、福島、上松のあたりだか、よくは訊かなかったけれども....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
した望遠鏡の代りに、持って来た撮影機を据えつけた。 やがて、時が来て、当日の生
贄となった例の女(後で判明したが、彼女はお照という二十二歳になる料理屋の女で、そ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
まない。大蛇は人の夢にあらわれ、または巫女などの口を仮りて、十二、三歳の少女を生
贄にささげろと言った。これには役人たちも困ったが、なにぶんにもその祟りを鎮める法....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
まっていた。湖水の西の淵には九つの頭を有する悪龍が棲んでいて、土地の少女を其の生
贄として取り啖っていたが、満巻上人の神呪によってさすがの悪龍も永く蟄伏し、少女の....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
た。 歩行も自由でない一本足の少女などは、この場合おそらく逃げおくれて最初の生
贄となったであろう。夫婦が少女を救ったことは幸いに誰にも知られなかった。勿論、与....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に見えるので、汪は恐るおそる窺うと、それは大きい蟒蛇であった。蛇は首をもたげて生
贄に進み寄って来るので、汪は眼をとじて、いよいよ一心に念誦していると、蛇は一丈ほ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ただお嬉しい事なのです。おめでとう存じます。 美女 あの、捨小舟に流されて、海の
贄に取られて行く、あの、(※す)これが、嬉しい事なのでしょうか。めでたい事なので....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
りやらず。甚しいかなその念の深く刻めるや、おのが幾年の寿命を縮め、身をもて神仏の
贄に供えて、合掌し、瞑目して、良人の本復を祈る時も、その死を欲するの念は依然とし....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
うという見極めは付きそうもありません。いずれにしても、三津子さんは世に悼ましい生
贄でありました。 山窩の娘については、三津子さんもその秘密を知っていたに相違あ....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
商売上の便利を図ろうとするのが、万屋の伯父の本心であった。つまりは近江屋の娘を生
贄にして、自分の都合のよいことをたくらんだのである。それを知って、お峰は腹立たし....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
、考えても怖ろしい。そこで、残りの四千両――それを授けられる時には、又ひとりの生
贄を取られることになるだろう。いや、それに相違ないのだ。(更に身を顫わせる。)さ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
。」と、小坂部はしずかに又訊いた。 君は頭をゆるく振った。 「わたしを神への生
贄にしようとか。」 男はやはり黙っていた。しかしその頭が右へも左へも動かないの....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
り金持の道楽として好きな道から慰みに初めたのであろうと思う。 椿岳が師と仰いで
贄を執ったのは大西椿年であった。当時椿年は蔵前に画塾を開いていたので、椿年の画風....