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「贅沢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

贅沢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
れている窮民《きゅうみん》の苦痛に比《くら》べれば、六十何銭かを歎ずるのは勿論|贅沢《ぜいたく》の沙汰《さた》であろう。けれども苦痛そのものは窮民も彼も同じこと....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
くひゃっぽんぐい》の近くの邸宅に、気の利《き》いた西洋風の書斎を新築して、かなり贅沢《ぜいたく》な暮しをしていました。 「私はこう云っている中にも、向うの銅板画....
河童」より 著者:芥川竜之介
楽家の家へラップをつれ出すことにしました。クラバックはトックに比べれば、はるかに贅沢《ぜいたく》に暮らしています。というのは資本家のゲエルのように暮らしていると....
或る女」より 著者:有島武郎
の重さを計って支払いするような注意をしていた。それだのに目の前に異国情調の豊かな贅沢品《ぜいたくひん》を見ると、彼女の貪欲《どんよく》は甘いものを見た子供のよう....
星座」より 著者:有島武郎
がかかっていて、その金色の針がちょうど九時を指していた。玄関に時計をおくとは変な贅沢《ぜいたく》をしたもんだなあと思いながら、渡瀬はまじまじと大ぎょうな金色に輝....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
然主義者から攻撃を享《う》けた享楽主義と観照論当時の自然主義との間に、一方がやや贅沢《ぜいたく》で他方がややつつましやかだという以外に、どれだけの間隔があるだろ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、退屈をまぎらすための行楽に身を任せて、それでも使い切れない精力の余剰を、富者の贅沢の一つである癇癪に漏らしているのがある。君はその男をよく知っている。小学校時....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
にゃ其の人間って獣にしみじみ愛想が尽きたと云うんだ。人間って奴は何んの事は無え、贅沢三昧をして生れて来やがって、不足の云い様は無い筈なのに、物好きにも事を欠いて....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
知っている、何だっけな。」弁持が鹿爪らしく、「は、飛沙魚です、は。」「飛沙魚だ、贅沢だ。もぐり沙魚の孑孑だ。――先方は女だ、娘だよ。可哀そうに、(口惜いか、)と....
」より 著者:池谷信三郎
、この国の生産を人口で割っただけの仕事は充分すぎるほどしている。だから、この国の贅沢を人口で割っただけの事をしてもいいわけだ。電車の中の公衆道徳が、個人の実行に....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、とても筆紙につくせませぬ。京の銀閣寺、金閣寺の庭園も数奇の限りを尽した、大そう贅沢なものとかねてきき及んで居りますので、或る時私はこちらからのぞいて見たことが....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
す。 大金持になった杜子春は、すぐに立派な家を買って、玄宗皇帝にも負けない位、贅沢な暮しをし始めました。蘭陵の酒を買わせるやら、桂州の竜眼肉をとりよせるやら、....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
ゃ駄目だよ」と云う。 七、月評に忠実なる事。 八、半可な通人ぶりや利いた風の贅沢をせざる事。 九、容貌風采共卑しからざる事。 十、精進の志に乏しからざる....
初雪」より 著者:秋田滋
て美味いものを食べようッてのかい。だがねえ、お前はここへ来る時に、そういうような贅沢な真似が出来ないッてことは得心だったはずじゃないのかい」 良人のこの言葉と....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とな餌をご馳走してやるのだった。 先生は涎れをたらして、この壮観を見、これなら贅沢な冬がすごせるぞ、と思った。彼は欲ばった空想をめぐらして、丸焼きにもってこい....