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「贅沢品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

贅沢品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の重さを計って支払いするような注意をしていた。それだのに目の前に異国情調の豊かな贅沢品《ぜいたくひん》を見ると、彼女の貪欲《どんよく》は甘いものを見た子供のよう....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
対の現象を呈した事。その勢《いきおい》が東京市中に数倍の飲食店を作り、安流行、安贅沢品を流行《はや》らせると同時に、かような大商店にまでも影響したので、一時は実....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
用心と云っても宜い、増して其の時代が閣竜英の乱の時で国王は弑せられ貴族は憎まれ、贅沢品は容赦なく取り上げられる物騒の極で有った事を思えば、縦んば余自身が其の人で....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
銀柄の舶来洋傘(筆者の父茂丸が香港から買って来たもので当時として稀有のハイカラの贅沢品)という扮装で、喰う米も無い(当時一升十銭時代)貧窮のただ中に大枚二円五十....
失敗園」より 著者:太宰治
だしたら、主人の汗だくで怒って曰くさ、それではお前がやりなさい、へちまの棚なんて贅沢品だ、生活の様式を拡大するのは、僕はいやなんだ、僕たちは、そんな身分じゃない....
余と万年筆」より 著者:夏目漱石
価に当るのだから、それが日に百本も売れる以上は、我々の購買力が此の便利ではあるが贅沢品《ぜいたくひん》と認めなければならないものを愛玩《あいかん》するに適当な位....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、そんなことになすったという説もございますが、太閤様の御威勢でおこしらえになった贅沢品《ぜいたくひん》という贅沢品がすぐって、あの尾張名古屋の城に入れてございま....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
えるようになれば実用流行共に期して待つ可きである。 百姓弥之助は昔から自動車を贅沢品《ぜいたくひん》とは考えて居ない、行く行く実用品として各戸一台は備えねばな....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
べていた。いわばこの並木通りは富と流行の集合地である。宮殿のような高楼の階下は、贅沢品を売りつけようとあせっている商店で、その上のアパートメントには富裕な人たち....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
人やらの助けを借りて手任せに掘り出そうとした。嗅煙草は蘇格蘭の羊飼どもにはとても贅沢品じゃ。なあ、これを鼻先へついと突つければ誰だって何ぼうでも彼等を買収する事....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ミルクは舶来の最上品であって一個三十銭(今日の一円二十銭見当)の高価で、なかなか贅沢品と見られていたものである。 翌朝、私は試みに一缶だけ持参すると、彼はすこ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
していうと、僕の息子《むすこ》にだけは時勢に遅れさせたくない。して自動車はもはや贅沢品《ぜいたくひん》ではない。今後ますます発達するものと思えば、将来世に出て働....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
な風ですから、洋風の部屋の窓の日覆を取りつけようとすると、それはもうバカバカしい贅沢品とみなされ、ちよつと手の出せないような値段になります。 寝台やイスの修繕....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
左右へ振った。そして何かに逆らうような気勢でさっさと歩き出した。 遊覧客相手の贅沢品屋は防火扉をおろしてまだ深々と眠って居た。扉に白いチョークで、西班牙皇帝の....
国境」より 著者:黒島伝治
る。 今は、五カ年計劃の実行に忙がしかった。能率増進に、職場と職場が競争した。贅沢品や、化粧品をこしらえているひまはなかった。そんなものをかえりみているどころ....