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贈
「贈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
贈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
を伸べるが早いか、白粉《おしろい》を刷《は》いた広子の頬《ほお》へ音の高いキスを
贈った。広子は妹のキスを受けた記憶をほとんど持ち合せていなかった。もし一度でもあ....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《りきゅうこじ》の珍重《ちんちょう》していた「赤がしら」と称える水さしも、それを
贈った連歌師《れんがし》の本名《ほんみょう》は、甚内《じんない》とか云ったと聞い....
「河童」より 著者:芥川竜之介
かん》?
答 ある批評家は「群小詩人のひとり」と言えり。
問 彼は予が詩集を
贈らざりしに怨恨《えんこん》を含めるひとりなるべし。予の全集は出版せられしや?
....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
い》の晩なぞは、僕が女に水晶《すいしょう》の双魚《そうぎょ》の扇墜《せんつい》を
贈ったら、女は僕に紫金碧甸《しこんへきでん》の指環を抜いて渡してくれた。と思って....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
《ぎえんきん》の一部をさいてあがなった、四百余の猿股《さるまた》を罹災民諸君に寄
贈することになった。皆で、猿股の一ダースを入れた箱を一つずつ持って、部屋部屋を回....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
が幽《かす》かにこの部屋に聞こえて来る。私の眼の前にはお前たちの叔母が母上にとて
贈られた薔薇《ばら》の花が写真の前に置かれている。それにつけて思い出すのは私があ....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
主張的の内容に変ってきたことや、荷風氏が自然主義者によって推讃《すいさん》の辞を
贈られたことや、今度また「自己主張の思想としての自然主義」という論文を読まされた....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
社会はお前を褒めあげて、お前に、お前が心|窃かに恥じねばならぬような過大な報償を
贈ってよこす。お前は腹の中で心苦しい苦笑いをしながらも、その過分な報償に報ゆるべ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
刻さを欠いていた。殊に平和的な民族性が大きな作用をして、敵の食糧難に同情して塩を
贈った武将の心事となり、更に戦の間に和歌のやりとりをしたり、あるいは那須の与一の....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
)――これは達磨屋吾一が江戸橋の古本屋で写生して、東紫(後で聞けば関根只誠氏)に
贈ったものであった。――を読み、毎日々々通って写本した。その頃|石橋思案、幸田成....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
う言葉を考えつづけた。それは又僕の持っている硯の銘にも違いなかった。この硯を僕に
贈ったのは或若い事業家だった。彼はいろいろの事業に失敗した揚句、とうとう去年の暮....
「小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
どりは、皇帝のお寝台ちかく、絹のふとんの上に、すわることにきまりました。この鳥に
贈られて来た黄金と宝石が、のこらず、鳥のまわりにならべ立てられました。鳥は、「帝....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
理大臣サー・ロバート・ピールは皇室費からファラデーに年金、こんな人には無論年金を
贈らねばならぬ、早くこれが手に入らないで残念な事をしたと言った。 ところが、サ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
た。唯々、惜しいことをしたと思い続けているのみである。 ここに十巻の全集が世に
贈られることは癒されざる慰めの纔かな慰めである。....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
部をもらい受け、更に三十部自弁して合せて九十部を世界各国の著名の大学や眼科医へ寄
贈したのであります。それが大正七年のことでした。 その後しばらくの間は何の反響....