»
贋
「贋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
贋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
。それとも阿媽港甚内というのは、倅だったのでございましょうか? わたしの宅へ来た
贋雲水《にせうんすい》は、誰か甚内の名前を仮りた、別人だったのでございましょうか....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
がら、内心はさらに油断なく、機会さえあれば真しやかに、二人の恋の妨げをするなと、
贋《にせ》の神託《しんたく》を下す心算《つもり》でいました。勿論その時あの婆が根....
「或る女」より 著者:有島武郎
こころいた》げな顔色を見せていないではなかった。しかし葉子から見るとそれはみんな
贋物《にせもの》だった。
やがて古藤は兵営への帰途医者を頼むといって帰って行っ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
った。 二人の、別府司令官。 同じ服装の、同じ顔の、司令官。 どっちかが、
贋者であろうと思われる。 二人の司令官の、相違した点は、湯河原中佐の案内した司....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
昨年七月の爆弾事件で死んだという説を盛んに言いふらしているぜ。今居るヒットラーは
贋者だというんだ」 私はいった。 「それが真偽いずれにしても、興味ある報道です....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
よ。 なんでも、あとで聞いた話ですが……まず最初に菱沼さんは「つぼ半」の女将が
贋の証言をしていると仮りにきめて、それでは何故そんな無茶な証言をしたか、つまり殺....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ダルを買ったのだ。顔の大きな刀傷は、できるだけ、素顔をかえるために、絵具でかいた
贋物だったんだ。どうだ机博士、面白い話じゃないか」 首領四馬剣尺は、大きな腹を....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
奪われた、家内を取戻してくれエ」と騒ぎ立てたし、同席の警官たちにもその職務柄かの
贋警視一行の闖入脱出について騒ぎ立てたのである。それから騒ぎは検察本部へ波及し、....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ますと、また天井から大きな声で、 「あっはっはっはっ。どうだ。やっとわかったか。
贋物の怪塔王の仮面がやっとはげたんだ。そのような怪塔王でよかったら、あと幾人でも....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
で一眼でも有ろうなら、三重県に居る代物ではない。今度名古屋へ来た連中もそうじゃ、
贋物ではなかろうから、何も宗山に稽古をしてもらえとは言わぬけれど、鰻の他に、鯛が....
「迷彩」より 著者:上村松園
が考えている以上に、実際行なわれているらしいので、そのことには多少気を痛めます。
贋物や疑物ということは、折々耳にしないこともないのですが、それが案外多いらしい様....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
うな錯覚を起させる。後刻屍体が発見された時この男にはアリバイがあるし、殺人はこの
贋物の被害者が部屋にはいって後行われたもののように考えられる。 (六)、室外にい....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
お国自慢よ。煙管一つも他国へ取られるな、と皆|蔵込むから、余計値が出るでしょう。
贋もの沢山になって、鑑定が大切だが、その鑑定を頼まれて確かなのが自分だって、按摩....
「活人形」より 著者:泉鏡花
お前を呼びに来て、手詰の応対、寅刻を合図に首討って渡せとなります。「その時は例の
贋首さ。「人を馬鹿にしていらっしゃるよ。「そうして娘は居ず、さしずめ身代にお前さ....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
のには驚かされました。昨年処刑されたという男もいましたし、身にピストルを用意し、
贋札を持っていて、相手の女に真物の金にくずさせていた怪しからん男なども居りました....