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贖罪
「贖罪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
贖罪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
り向いた刹那、彼の心にはとっさに大誓願が、勃然として萌《きざ》した。 積むべき
贖罪《しょくざい》のあまりに小さかった彼は、自分が精進勇猛の気を試すべき難業にあ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
亡した彼は、こゝに他日恐ろしい罪名の許に鉄窓に十年の長きに亘って坤吟する呪わしい
贖罪の第一歩を踏み出したのだった。 縛についた時の彼の服装は茶の中折に縞の綿入....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
林にはいって、盗伐の罪を犯し処刑をこうむるものは増すばかり。そのたびに徴せらるる
贖罪の金だけでも谷中ではすくなからぬ高に上ろうとのうわささえある。 世は革新の....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
にはやるちょっとした迷信的な洒落のようなものか、それとももっと深い動機に基づいた
贖罪的なものか、花柳界の女たちよりか新らしく、一般的のモダアン・ガアルよりも古い....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
事は美徳である。富者はその美徳をあまり多く享有する事の罪を自覚するがゆえに、その
贖罪のために種々の痴呆を敢行して安心を求めんとする。貧乏は悪徳である、貧者はその....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
知るがいい!」 「だが葉之助は可哀そうだ」突然誰かがこう云った。 「仕方がない、
贖罪だ!」もう一人の声がこう云った。 「母の罪を償うのだ」 「あれの母の山吹は、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
のに対しても、常に正しく、常に親切である。 従って霊訓は、此神に対して第三者の
贖罪を必要としない。天帝は復讐的に、天則違反者に決して懲罰を与えることもなければ....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
んなことの裏に、神事関係がはいっていることがわかる。ことさかのめやっこは、一つの
贖罪のために出すもので、出すのは夫である。あがないを受けるのは普通は神であるが、....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
いる。理由はない、まさに確然と理由はない、それであるのに……。どうして、懲罰とか
贖罪とかいう意識がさき走ってくるのだろう。 それが左枝八郎の、どこか頭の隅に棲....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
すぞ! ……さりながら一切は過ぎ去ったこと、繰り返しても甲斐はない! ……今後は
贖罪あるばかりじゃ! ……お浦、そちのその重傷では、生命取り止むること覚束ないか....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
己の過ちを省みなければならぬのである。内からの反省と外からの刺戟と、ここに二重の
贖罪が行われて来ねばならぬ訣である。此様に、何か別の力が、外から源氏に深い反省を....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
の思想に非常に興味を感じます。私らの生まれながらの罪を救済するための罪なきものの
贖罪としての十字架が、真に愛のシンボルであるとも思います。与えるばかりの愛の、こ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
の前の境遇に釘付けにして貰うことは、寧ろ必要とするところでもあったので、笞を嬉ぶ
贖罪者の気でじっと辛抱して勉強した。そういう事情に促進されて、詩文の技倆はどしど....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
心からこの人を歓迎します。
やや未熟なる天使等
愛して下さる、
聖なる
贖罪の少女達の手で授けて下さった、あの薔薇の花が、
わたくし共を助けて勝たせてく....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
の場面、場面が単独に、または、その一連の聯鎖をもって執拗に襲いかかって来、犯人の
贖罪を強いる。こうした、われとわが手による審判に、そして、
贖罪の強要に、ついに屈....