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赤み
「赤み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
を残している。Masochism ――保吉は思わず紙切れから、いつも頬《ほお》に
赤みのさした中尉の童顔へ目を移した。
「これですか? このマソヒズムと云う……」....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
運命は一羽の八咫鴉《やたがらす》になり、さっとその枝へおろして来た。と思うともう
赤みのさした、小さい実を一つ啄《ついば》み落した。実は雲霧《くもきり》の立ち昇《....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
もいい。大きなのやら小さなのやら、みかげ石のまばゆいばかりに日に反射したのやら、
赤みを帯びたインク壺《つぼ》のような形のやら、直八面体の角ばったのやら、ゆがんだ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に目を開いた。倉地はまだ死んだもの同然にいぎたなく眠っていた。戸板の杉《すぎ》の
赤みが鰹節《かつおぶし》の心《しん》のように半透明にまっ赤《か》に光っているので....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
はこの男の体から目を離すことが出来ない。この若々しい、少しおめでたそうに見える、
赤み掛かった顔に、フレンチの目は燃えるような、こらえられない好奇心で縛り附けられ....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
にね。王子をころして、かえっておいでなさい。早くしてね。ほらもう、あのとおり空に
赤みがさして来たわ。もうすぐ、お日さまがおあがりになるわ。すると、いやでも死なな....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
ある人に会うた。胸部のあたりには、生の名残りの温気がまだ消えないらしい。 平生
赤みかかった艶のよい人であったが、全血液を失うてしもうたものか、蒼黄色に変じた顔....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
がら、からの徳利を取って立った。 友人は手をちゃぶ台の隅にかけながら、顔は大分
赤みの帯び来たのが、そばに立ってるランプの光に見えた。 「岩田君、君、今、盲進は....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
をつけて、そのそばに立ちながら涼んでいた。湯あがりの化粧をした顔には、ほんのりと
赤みを帯びて、見ちがえるほど美しかった。 ほかにも芸者のはいりに来ているのは多....
「火星兵団」より 著者:海野十三
んだ。
丸木艇は、とつぜん、長くのびたように見えた。そうして艇全体が、にわかに
赤みをましたようであった。丸木艇は、速力をました。
「おや、丸木艇は、あんな方向....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
ろと海面へおちはじめた。 やがて、そのどろどろと宙にもえていた火柱の色が、急に
赤みがかってきた。それと同時に、火柱のたっている近くの海が、急にぼーっと明るくな....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
原因がそれなのだが、あの深々とした皺も、湯か酒で色づいたとき、薄闇の中で見ると、
赤みが黝ずんで、変貌の特徴が消え失せてしまうからだ。しかし、一廻り小さく見えるの....
「審判」より 著者:カフカフランツ
は、彼らの背後に、ずっと背丈の高い一人の男が、胸のはだけたシャツ姿で立っており、
赤みがかった髯を指でおしたり、ひねったりしていたからである。 「ヨーゼフ・Kだね....
「出世」より 著者:菊池寛
だ冷たかったが、薄暖い早春の日の光を浴びている楓や桜の大樹の梢は、もうほんのりと
赤みがかっているように思われた。 ずいぶん図書館へも来なかったなと、譲吉は思っ....
「白雪姫」より 著者:菊池寛
のリンゴをこさえました。そのリンゴは、見かけはいかにもうつくしくて、白いところに
赤みをもっていて、一目見ると、だれでもかじりつきたくなるようにしてありました。け....