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「赤児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
げの毛が、かすかに耳の根をぼかしたのも見える。 この姿見のある部屋には、隣室の赤児の啼《な》き声のほかに、何一つ沈黙を破るものはない。未《いまだ》に降り止まな....
」より 著者:芥川竜之介
へ勤《つと》めに行った留守《るす》だったと見え、造作《ぞうさく》の悪い家の中には赤児《あかご》に乳房《ちぶさ》を含ませた細君、――彼の妹のほかに人かげはなかった....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
な水柱《みずばしら》を揚げながら、「定遠《ていえん》」の沈没する所もあった。敵の赤児を抱《だ》いた樋口大尉《ひぐちたいい》が、突撃を指揮する所もあった。大勢の客....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
いうを待たない。が、それよりも不思議なのはその実は核《さね》のあるところに美しい赤児《あかご》を一人ずつ、おのずから孕《はら》んでいたことである。 むかし、む....
死後」より 著者:芥川竜之介
じ》?」 これはとうに一寝入《ひとねい》りした、隣の床にいる妻の声だった。妻は赤児に腕枕《うでまくら》をさせ、ま横にこちらを眺めていた。 「三時だ。」 「もう....
少年」より 著者:芥川竜之介
めた。由来子供は――殊に少女は二千年|前《ぜん》の今月今日、ベツレヘムに生まれた赤児《あかご》のように清浄無垢《しょうじょうむく》のものと信じられている。しかし....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
る間《あいだ》に、いよいよ船出と云う時になった。すると少将の妻になった女が、あの赤児を抱いたまま、どうかその船に乗せてくれいと云う。おれは気の毒に思うたから、女....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
前の洞穴の内部の隅。岩の壁によりかかった死骸は徐ろに若くなりはじめ、とうとう赤児に変ってしまう。しかしこの赤児の顋《あご》にも顋髯だけはちゃんと残っている。....
或る女」より 著者:有島武郎
て港を見渡した。そして、なんの感じも起こさないうちに、熟睡からちょっと驚かされた赤児《あかご》が、またたわいなく眠りに落ちて行くように、再び夢ともうつつともない....
雛妓」より 著者:岡本かの子
霊の奴め、この橋くらいでは満足しないで、大きな図体の癖に今度はまるで手も足もない赤児のようなお前によろよろと倚りかかろうとしている。今俺にそれが現実に感じられ出....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
濺いだ。曰くイエスの徒弟どもは、極端に放縦無規律なるしれものである。曰く彼等は、赤児を殺し食膳に上せる鬼どもである。今日から顧れば、殆ど正気の沙汰とは受取れぬよ....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
ねばならぬ、 人間は如何な程度のものと雖も、娯楽を要求するのである、乳房にすがる赤児から死に瀕せる老人に至るまで、それぞれ相当の娯楽を要求する、殆ど肉体が養分を....
子供の霊」より 著者:岡崎雪声
眼を覚ますと、店から奥の方へ行く土間の隅の所から、何だかポッと烟の様な、楕円形の赤児の大きさくらいのものが、下からスーと出たかと思うと、それが燈心の灯が薄赤く店....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。その隙がまだ秀吉の得意さを失わせませんでした。しかし利休に至っては、時にまるで赤児のよう、時にはまるで賢者のよう自由自在に振舞って、しかも一向そつがないのであ....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
いか!」 と太郎右衛門は叫びました。今三人の前に生れてから三月ばかり経った一人の赤児が、美しい布に包まれて捨てられているのでした。伊作の話では、伊作の最初に見付....