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赤裸
「赤裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
はこれまでのどの仏菩薩の御像《おすがた》にも似ていないのでございます。別してあの
赤裸《あかはだか》の幼子《おさなご》を抱《いだ》いて居《お》るけうとさは、とんと....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
く裸にして見よう。」
参謀の言葉が通訳されると、彼等はやはり悪びれずに、早速|
赤裸《あかはだか》になって見せた。
「まだ腹巻《はらまき》をしているじゃないか?....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
には如何なる表現も出来るものではない。
ルッソオは告白を好んだ人である。しかし
赤裸々の彼自身は懺悔録《ざんげろく》の中にも発見出来ない。メリメは告白を嫌った人....
「或る女」より 著者:有島武郎
あふれ輝いて、白い礫《こいし》の河原《かわら》の間をまっさおに流れる川の中には、
赤裸《あかはだか》な少年の群れが赤々とした印象を目に与えた。草を敷かんばかりに低....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れ出る。そこにはもう自他の区別はない。二元的な対立はない。これこそは本当の生命の
赤裸々な表現ではないか。私の個性は永くこの境地への帰還にあこがれていたのだ。 ....
「海底都市」より 著者:海野十三
逃げだした。僕がやっきになって一人|角力《ずもう》をとっているうちにとうとう僕は
赤裸《はだか》になってしまった。 「これが二十年前の彼の姿である。非常に興味のあ....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
月の揃ったという若い女を手に入れた。あろう事か、俎はなかろうよ。雨戸に、その女を
赤裸で鎹で打ったとな。……これこれ、まあ、聞きな。……真白な腹をずぶずぶと刺いて....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
押し戴いて、三拝九拝しているのは、珍らしや醤買石であった。 醤は、サロン一つの
赤裸であった。頸のところに、からからんと鳴るものがあった。それはこの土地に今大流....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
だった。腰から下に白ズボンをはいたきり、そして胴中から上はなに一つまとっていない
赤裸だった。しかし潮風にやけた体は赤銅色で、肩から二の腕へかけて隆々たる筋肉がも....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に、あっと声を立てて、今まで彼に感じていた敬虔な魅力から醒めると、事実がすべての
赤裸な醜さのうちに暴露された。その客はまだ本当に我にかえらないうちに、もうその唇....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
いということである。西鶴の本は、かつて聞いたことのない珍らしいもので満ちていた。
赤裸々に自然を書いたからである。人間そのものを書いたからである。ただ人間そのもの....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ポーズなのだ。そして彼には、もう一つの「お得意」のポーズがある。往来のまん中へ、
赤裸のまま、両股をひらいて、そしてすっくと突っ立ち上り、両手を腰にあて、両眼を見....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
「さあ、水行水。」 と言うが早いか、瓜の皮を剥くように、ずるりと縁台へ脱いで
赤裸々。 黄色な膚も、茶じみたのも、清水の色に皆白い。 学生は面を背けた。が....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
いった事がない」と沼南自身の口ずから聞いたのは数回に留まらない。瑜瑕並び覆わざる
赤裸々の沼南のありのままを正直に語るのは、沼南を唐偏木のピューリタンとして偶像扱....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
夕山風が古葉をふるわして樹々の間を掠めてくる。落つるに早い楓、朴、櫨の類は、既に
赤裸々の姿をして夕空寒く突き立って見える。彼の蘇子瞻の「霜露既降木葉尽脱 人影在....