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赤褐色
「赤褐色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤褐色の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
を受けていると云うニュースをですね――。深谷氏もそれを聞いたのです。そしてこの、
赤褐色の無数の浮漂微生物の群成に依る赤潮が、真珠養殖に取っての大敵である事を思い....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
のは噴煙の色がただの黒灰色でなくて、その上にかなり顕著なたとえば煉瓦の色のような
赤褐色を帯びていることであった。 高く上がるにつれて頂上の部分のコーリフラワー....
「恐竜島」より 著者:海野十三
やしい色にはえ、大空から下に向って威嚇《いかく》をこころみる。 島の丘の背が、
赤褐色《せっかっしょく》に染って、うすきみわるい光をおびはじめた。 「おやあ、こ....
「蚤」より 著者:斎藤茂吉
方の五時ころからそろそろ逃げはじめる、そういう悧巧なところがある。そうして、あの
赤褐色に光る奴が、まさに跳ね飛ぼうとする体勢の時が、一番美しいようだ。 DDT....
「鶏」より 著者:森鴎外
て、蹲んで見ている。石田も鳥を見に出たのである。 大きな雄鶏である。総身の羽が
赤褐色で、頸に柑子色の領巻があって、黒い尾を長く垂れている。 虎吉は人の悪そう....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
メートルの御鉢火口である。直径五百メートルのこの火口は、正しい摺鉢型をして、底に
赤褐色の水を少し湛えている。実に端正な可愛い火口だ。然しそれは、あまりによくまと....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
小笠原島附近で捕獲されるが、日本海方面に棲息するのは赤海亀の種類だ。赤といっても
赤褐色だが、時にはずいぶん巨大なのを発見することがある。清の話を聴きながら、僕は....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
っている。鶴見がまだ子供の時分、国から叔母が来ていたが、血の道の薬だといって濃い
赤褐色の煎じ汁を飲んでいた。鶴見にはそれだけの思い出しかない。 名文といったが....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
仲太郎は、静かに手を延して、蛇皮を取って、火の中へ投じた。ばちばちと音立てて、
赤褐色の火焔が昇ったが、低く這ってすぐ無くなってしまった。仲太郎は、沈香を取って....
「越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
部は立山の噴火せし際|降り積りしと思わるる岩石のみである、東南の早月川方面の方は
赤褐色を帯べる岩で、北方は非常の絶壁でその支峰もいずれも剣を立てたるがごとく到底....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
違わぬ。同じ石英斑岩でも、これから槍下までのは、胡摩塩状斑点が減じて青色を帯び、
赤褐色の大豆大の塊が点々混ってやや軟かい、砂礫の多量に含む処を見ると、風化し易い....
「樹の根」より 著者:和辻哲郎
松の樹に囲まれた家の中に住んでいても松の樹の根が地中でどうなっているかはあまり考えてみた事がなかった。美しい
赤褐色の幹や、わりに色の浅い清らかな緑の葉が、永いなじみである松の樹の全体である....
「人物埴輪の眼」より 著者:和辻哲郎
作った素焼き円筒のことである。それはたぶん八百度ぐらいの火熱を加えたものらしく、
赤褐色を呈している。用途は大きい前方後円墳の周囲の垣根であった。が、この素焼きの....