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「赤靴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤靴の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
橡の花」より 著者:梶井基次郎
うになるのです。学生の間に流行《はや》っているらしい太いズボン、変にべたっとした赤靴。その他。その他。私の弱った身体《からだ》にかなわないのはその悪趣味です。な....
明暗」より 著者:夏目漱石
かったのを宅《うち》でお父さんが染めたんだよ」 津田は笑いだした。藤井が子供の赤靴を黒く染めたという事柄《ことがら》が、何だか彼にはおかしかった。学校の規則を....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
駅への道だ。駅の時間表を見ていると涙がにじんで来て仕方がない。 (十二月×日)赤靴のひもをといてその男が座敷へ上って来ると、妙に胃が悪くなりそうで、私は真正面....
山吹町の殺人」より 著者:平林初之輔
町で履物《はきもの》専門の空巣ねらいが逮捕されたが、同人は、被害者宅にてキッドの赤靴を一足盗んだという奇怪な陳述をしているので取調中である」 新聞の記事は大体....
一九二九年一月――二月」より 著者:宮本百合子
の記事非常に興味あり。同時に陪審員裁判長の応答、その他一種の好意を感じた。紋付に赤靴ばきの陪審員の正直な熱心さが感じられる 例えばこんな質問のうちに。 マッチ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
。こうと灰色。うすい青のずぼん。 日本。上、青。下、白。役員はフロックコウトに赤靴だ。 旗手|高石。 墨西哥。白に赤襟。 モナコ。白衣にあかい帽子。九人....
杜松の樹」より 著者:グリムヴィルヘルム・カール
も何かくれますか。」 「女房や、」と靴屋が言った。「店へ行って、一|番上の棚に、赤靴が一|足あるから、あれを持って来な。」 そこで、おかみさんは行って、その靴....
旅だち」より 著者:豊島与志雄
ませんでした。 その日になると、敏子は、軽快な茶色ウールのスーツを着、キッドの赤靴をはいて、楽しげに出かけました。 車が後れて、会場には三時半すぎに着きまし....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
つの間にか足が向くのは駅。駅の時間表を見ていると涙がにじんで来る。 十二月×日赤靴のひもをといてその男が上って来ると、妙に胃が悪くなりそうで、私は真正面から眉....
芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
。女は直様《すぐさま》県立千葉病院に入院せしめたるが生命|覚束《おぼつか》なし。赤靴を履《は》き頭髪を分けをり年頃二十六、七歳位運転手風の好男子なり、男の黒つぽ....
線路」より 著者:夢野久作
に突込んだまま……紺の背広、鼠色のオーバー、黒の襟巻き……茶の中折れが飛んで……赤靴が片っ方脱けおちてて……顔半分を真赤に濡らして……それを凝視した儘、私は棒の....
美音会」より 著者:佐藤垢石
左のボックスに腰をかけて、居眠りをしている人が柳沢伯だ。痩躯に薄茶の背広を着け、赤靴をはいた貴公子だ。 いよいよ大隅の娘景清が始まった。聴衆鳴りを鎮めて、一心....