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赤鼻
「赤鼻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤鼻の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
で見かけた事がございますが、いかさま鼻蔵とでも譏《そし》られそうな、世にも見事な
赤鼻の天狗鼻《てんぐばな》でございました。その鼻蔵の、鼻蔵人の、大鼻の蔵人得業の....
「女百貨店」より 著者:吉行エイスケ
でに彼女は隠密にものを云う女になっていた。 「あら、こう云ったからって妾は打算と
赤鼻が好きさ。ぜひお願いしますわ。と、云うのは妾が愛撫してくれる男を待っているわ....
「大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
たために、米国資本を背景とした商工都市大阪は、ウォール街を恐怖がおそうと同時に、
赤鼻女の野暮なアメリカの衣裳をつけて財界の迷路に立った。 また、銀塊《ぎんかい....
「ネギ一束」より 著者:田山花袋
、子供、女、赤い蹴出しやら、大縞の絆纏やら、時計の鎖を絡ませた縮緬のへこ帯やら、
赤鼻緒の黒塗り下駄やら、ぞろぞろとその細い畠道には、人が続いて、その向こうの林の....
「階段」より 著者:海野十三
だけの生きものでしかなかった。脚だけの生きものが、きゅっと締った白い足袋をはき、
赤鼻緒のすがった軽い桐の日和下駄をつっかけている。その生きものを見ていると身体が....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
平氏が赤服で馬車を駆っているのを見た記憶がある。店の紅殻色の壁に天狗の面が暴戻な
赤鼻を街上に突き出したところは、たしかに気の弱い文学少年を圧迫するものであった。....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
見たら、すべての橇馬の体で汗が真白い霜に凍っている。通行人のひげも白い。本物の「
赤鼻のモローズ」がモスクワの街へ降りた。 午後三時半、日が沈みかけた。溶鉱炉の....
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
指導するモスクワの大金属工場「鎌と鎚」の文学研究会《リト・クルジョーク》で、丸い
赤鼻を一層赤くして、こう批判したようなものが出来る。 「タワーリシチ! ここにも....
「ブルジョア作家のファッショ化に就て」より 著者:宮本百合子
ある恐ろしい山道で一人の百姓が天狗に出遭った。天狗は既に烏天狗の域を脱して凄い
赤鼻と、炬火《たいまつ》のような眼をもった大天狗だ。天狗は百姓を見て云った。 「....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
見せず、座敷牢とまでもないが、奥まった処に籠切りの、長年の狂女であった。――で、
赤鼻は、章魚とも河童ともつかぬ御難なのだから、待遇も態度も、河原の砂から拾って来....
「ようか月の晩」より 著者:宮本百合子
。 朝眼を覚ますと、お婆さんは先ず坊主になった箒で床を掃き、欠けた瀬戸物鉢で、
赤鼻の顔を洗いました。それから、小さな木鉢に御飯を出し、八粒の飯を床に撒いてから....
「明日」より 著者:井上紅梅
「声がしない。――小さいのがどうかしたんだな」
赤鼻の老拱は老酒の碗を手に取って、そういいながら顔を隣の方に向けて唇を尖らせた。....
「楢ノ木大学士の野宿」より 著者:宮沢賢治
楢ノ木大学士は宝石学の専門だ。 ある晩大学士の小さな家《うち》へ、 「貝の火|兄弟《けいてい》商会」の、
赤鼻の支配人がやって来た。 「先生、ごく上等の蛋白石《たんぱくせき》の注文がある....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
同夫人、同令嬢であった、フオル・ボロン氏は茴香酒《ペルノオ・フィス》の匂いのする
赤鼻の肥大漢、同夫人は猫背の近視眼、しかしながら、同令嬢はさながら二月の水仙のご....