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「走書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

走書の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
怪塔王」より 著者:海野十三
んでいた手帳を、一彦の方へさしだしました。 一彦がその手帳をうけとって、大尉の走書をよんでみますと、次のようなことが書いてあります。 “ああ、ああ、うるさい。....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
ることだった。血に染まった指の跡が、点々としてついている。そしてそこには鉛筆で、走書がしてある。その筆跡は、いかにもたどたどしい。たどたどしいというよりも、気が....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
、たった一つの遺書であった。雪明りを頼りに急ぎ認めたものとみえて、荒々しい鉛筆の走書きであったが、窓際によって、私は顫えながらも、辛じて読みとることが出来た。 ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
不明になった大正二年九月二十六日の天候の回答が来ていた。すべ/\した洋紙にペンの走書だが、最後の行に「月明なし」と云う句が冷たく光って見えた。月明があれば少くと....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ブラウンは二人が長い柏材の卓子に席をしめていた事をしった。テーブルの一方の端には走書のしてある紙片がひろがっており、そして側にはウイスキー瓶と葉巻とが載っている....
秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ンタンはなおも眼の前の紙片に何か書つけていた。「どうでしょう」といいながらなおも走書きをつづけて、「仏蘭西騎兵の軍刀では?」と訊ねた。 扉を低くノックするもの....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
くくりつけてある。氷砂糖の箱だ。 水に濡《ぬ》れてよくわからないが、表にペンの走書《はしりがき》がしてある。 「勇敢なる日本の水兵よ。……救うことの出来ぬ……....
P丘の殺人事件」より 著者:松本泰
は紙片の端に、母から電話がかかったので食事に行くから、其積りでいてくれ、と鉛筆で走書をすると、それを台所の卓子の上へ乗せて置いて急いで家を出た。 ビアトレスは....
暴風雨に終わった一日」より 著者:松本泰
下から、ぱらりと一枚の紙片が落ちた。それには鉛筆で、“ストーブに入るべきもの”と走書きがしてあった。 伊東はかねがね、宝沢とお玉との交渉を漠然とは想像していた....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
す。その落いた魚屋の襟印を見て帳面に『一円五十銭……茂兵衛』とか何とか私共一流の走書きに附込んだ魚を泄うように引っ担いで走り出て行きます。払いの悪い奴なら一円七....
名君忠之」より 著者:夢野久作
の上の讃を読んでみい」 押し戴いた紙を膝の上に伸ばした与一は、ハッキリした声で走書の讃を読んだ。 「ものの夫の心の駒は忠の鞭……忠の鞭……孝の手綱ぞ……行くも....
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
一 大兄 霜川支配人委托 と表に……裏面には読み難い蚯蚓体の走書で「津守老生」と署名してある。慌てて封を切ってみると、いよいよ読み難い赤イン....