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「赴く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赴くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
今じゃおいらが後見だ」 憤慨と、軽侮と、怨恨《えんこん》とを満たしたる、視線の赴くところ、麹《こうじ》町一番町英国公使館の土塀《どべい》のあたりを、柳の木立ち....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
いわなければ、こっちからいいましょう。われわれは、ドイツを脱出してはるばる日本へ赴くのでしょう。どうです、当ったでしょう」 僕は博士の返事を待った。だが博士は....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
したことをちゃんと気づいているのだ。そして飛行隊が急遽出動して、この気球の救援に赴くことになったそうだ。このうえは、こっちの所在を地上なり救援の飛行機に知らせる....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
時、豆府屋の唐人笠が間近くその鼻を撞かんとしたからである。 「ところで、立向って赴く会場が河岸の富士見楼で、それ、よくこの頃新聞にかくではないか、紅裙さ。給仕の....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
をば呼ばしめしが、来るべき人のあらざるに、いつもの事とはいいながら、あすは戦地に赴く身の、再び見、再び聞き得べき声にあらねば、意を決したる首途にも、渠はそぞろに....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
の溝まで亙るを得るなり。 筋向いなりとわれは覚ゆ。かの石の鳥居まで、わが家より赴くには、路のほどいと遥なりと思いしに、何事ぞ、ただ鼻の先なる。宮の境内も実に広....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
とを以て償わねばならない。 これと同様に、善行の結果も永遠不滅である。清き魂の赴く所には、常に良き環境が待ち構えて居り、十重二十重にその一挙一動を助けてくれる....
端午節」より 著者:井上紅梅
事を書くので、万一政府もしくは後援者が補助金を断つに至ったら、彼らの大半は大会に赴くだろうと認識したからである。 彼は既に教員の月給支払請求に同情したので、自....
科学時潮」より 著者:海野十三
に散見するそうである。 この死の谷の不可思議な謎を解くために学者の一団が探検に赴くことになる。一行は二人の死刑囚を同行した。これは死の谷への先登をやらせるため....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
しつつあるは事実である、併しそれらを救済せんとならば、彼等がどうして相率て堕落に赴くかということを考えねばならぬ、 人間は如何な程度のものと雖も、娯楽を要求する....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
いけれども、今度、仙台の――一学校の名誉教授の内命を受けて、あと二月ぐらいで任に赴く。――ま、その事になりました。ちょうど幸い、内弟子、書生にして連れて行こう、....
山吹」より 著者:泉鏡花
な姿におなりなさるのだけは堅くお止め申します――失礼をします。(衝と離れて山手に赴く。) 夫人 (画家の姿、槻の樹立にかくれたる時、はらはらとあとを追い、また後....
活人形」より 著者:泉鏡花
尽だ。どれ、ちょびと隠妾の顔を見て慰もうか。とかねてより下枝を幽閉せる、座敷牢へ赴くとて、廻廊に廻り出でて、欄干に凭りかかれば、ここはこれ赤城家第一の高楼にて、....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
行くか、てんで判らぬ。フェーリングは、全快とまでは行かないにしろ、次第によい方へ赴くだろうというのだが。――実際たびたび僕は自分の存在と造物主とを呪った〔〕にさ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
州古戦史の講義には、戦争の二大性質としてこの名称を用いたのであった。 ドイツに赴く途中、シンガポールに上陸の際、国柱会の人々から歓迎された席上に於て、私はシン....