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起こす
「起こす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起こすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
あろう。最後に、――僕はこの話を終わった時の彼の顔色を覚えている。彼は最後に身を
起こすが早いか、たちまち拳骨《げんこつ》をふりまわしながら、だれにでもこう怒鳴《....
「或る女」より 著者:有島武郎
く水夫が帽子の落ちそうになるのを右の手でささえながら、あたりの空気に激しい動揺を
起こすほどの勢いで急いで葉子のかたわらを通りぬけた。見送り人は一斉《いっせい》に....
「或る女」より 著者:有島武郎
、今わたしここに火鉢《ひばち》を持って来ますから。妹たちが寝ばなだからあすこでは
起こすといけませんから」
そういいながら葉子は手あぶりに火をついで持って来た。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
君はなお半時間ほどスケッチに見入っていたが、寒さにこらえ切れなくなってやがて身を
起こすと、藁草履を引っかけて土間に降り立ち、竈の火もとを充分に見届け、漁具の整頓....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
おとうさんをお起こしして……それからお隣《となり》に行って、……お隣のおじさんを
起こすんです、火事ですって……いいかい、早くさ」
そんなことをおかあさんはいっ....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
や学者の所説に刺戟《しげき》された一つの運動が起こったとしても、そしてその運動を
起こす人がみずから第四階級に属すると主張したところが、その人は実際において、第四....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
ている。ロシアの民衆はその国の事情が、そのまま進んでいったならば、いつかは革命を
起こすに、ちがいなかったのだ。
インテリゲンチャの啓蒙運動はただいくらかそれを....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の脳味噌、骨や樹の髄、蟹や蝸牛の肉が消長する。太陰は不可抗な力をもって潮汐の波を
起こすが、太陽がこれを助長するときは増大し、これが反対に働くときはその力を弱めら....
「外科室」より 著者:泉鏡花
この言《ことば》をしてもし平生にあらしめば必ず一条の紛紜《ふんぬん》を惹《ひ》き
起こすに相違なきも、病者に対して看護の地位に立てる者はなんらのこともこれを不問に....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
吐出されたもののように、坂に突伏した旅人が一人。 ああ、犠牲は代った。 扶け
起こすと、心なき旅人かな。朝がけに禁制の峠を越したのであった。峰では何事もなかっ....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
相違ないですが、あなたは身分ということを考えねばなりますまい。それにそんな考えを
起こすのは、いよいよいけないという最後のときの覚悟です。今おうちではああしてご無....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いくらかゆっくりしたらしく、雨戸のあけかたが常のようには荒くない。省作も母が来て
起こすまでは寝かせて置かれた。省作が目をさました時は、満蔵であろう、土間で米を搗....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
の主張は個人の自由を要求する事でした。しかもこの主張に関しての実際の大きな運動を
起こすには各々の個人がもっと完成されなければならないというのでした。私共は実際に....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
。これに反し、新教諸宗とローマ宗とは互いに敵視するの風ありて、往々争論をその間に
起こすことありという。 米国の風習、寺院に名望ある牧師あるときは、これを終身そ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て、その実況をわが民間に紹介するは、地方教育上今日の急務と信じ、ここに南遊の志を
起こすに至る。その周遊の時日限りありて、詳細の視察は到底望むべからざるも、諺に「....