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起こる
「起こる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起こるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ともです。しかしわたしもどうかすると、あの恐ろしい雌の河童に追いかけられたい気も
起こるのですよ。」
七
僕はまた詩人のトックとたびたび音楽会へも出かけまし....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
郎は、再びこのおやじを殺さなかった事を後悔した。が、同時にまた、殺そうという気の
起こる事を恐れもした。そこで、彼は、片目を火のようにひらめかせながら、黙って、席....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ないのを感じた。同時にまた妙に寂しさを感じた。しかし格別「今に見ろ」という勇気の
起こることは感じなかった。薄い藍色に澄み渡った空には幾つかの星も輝いていた。僕は....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ようなことさえ起こりました。いったい、こんな凶暴な事態が、こんな異常な事態がなぜ
起こるかということを、われわれは考えてみなければならぬと思うのであります。国会の....
「或る女」より 著者:有島武郎
があろうが無かろうが、そんな事は些細《ささい》な話だった。境遇でも変わったら何か
起こるかもしれない。元のままかもしれない。勝手になれ。葉子を心の底から動かしそう....
「或る女」より 著者:有島武郎
そうかくかん》からの出迎えだった。
横浜にも増して見るものにつけて連想の群がり
起こる光景、それから来る強い刺激……葉子は宿から回された人力車《じんりきしゃ》の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ちの群れから少し離れて、一団になったお内儀さんたちの背中から赤子の激しい泣き声が
起こる。しばらくしてそれがしずまると、風の生み出す音の高い不思議な沈黙がまた天と....
「親子」より 著者:有島武郎
たがないと思うんですが、……」 「遊んでいて飯が食えると自由自在にそんな気持ちも
起こるだろうな」 何を太平楽を言うかと言わんばかりに、父は憎々しく皮肉を言った....
「二つの道」より 著者:有島武郎
ある。絶対の境界は失われた楽園である。
人が一事を思うその瞬時にアンチセシスが
起こる。
それでどうして二つの道を一条に歩んで行くことができようぞ。
ある者....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
がいわゆる不弁舌なる弁を揮《ふる》いて前口上を陳《の》べ了《お》われば、たちまち
起こる緩絃《かんげん》朗笛の節《せつ》を履《ふ》みて、静々歩み出でたるは、当座の....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
、月が落ちて、くだかれて洗われている。水の面には白い霞がたなびいて、そこから風が
起こるのか、すぐ傍の柳は、月の光を吸いながら、ゆるやかに動いていた。河辺にたつと....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
味かよくわからないが、僕はただしばらくでも精神の安静が得たく、帰農の念がときどき
起こるのである。しかし帰農したらば安静を得られようと思うのが、あるいは一時の懊悩....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
、兄や姉には口答えもできない、母に口答えするように兄や姉に口答えしたらたいへんが
起こる。どこの家でもそうとはきまっていないが、親子と兄弟とは非常に感じの違うもの....
「転機」より 著者:伊藤野枝
の人達が、どんなにひどい迫害を受けているかをよく知っていたので、その交渉に続いて
起こる損害を受けるのが馬鹿らしかったのだ。それ故私もまた、それ程の損害を受けない....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
界に鳴るものは、東方アジアならざるべからず。すなわち日本その地なり。日本に続きて
起こるものはシナおよびインドならん。文化の進歩、ここに至りて地球を一周するなり。....