起し[語句情報] »
起し
「起し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
《むさぼ》らずにはいられぬ彼自身を嘲《あざけ》ったりした。
「甲野さん、ちょっと
起して下さい。」
それはもう夜の十時頃だった。
「わしはな、これからひと眠りし....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
がいよいよまた気に入らない。そこで彼は手拭と垢すりとを流しへほうり出すと半ば身を
起しながら、苦い顔をして、こんな気焔《きえん》をあげた。
「もっとも、当節《とう....
「影」より 著者:芥川竜之介
いろ》の半襟。――
陳は麦酒《ビール》を飲み干すと、徐《おもむろ》に大きな体を
起して、帳場机の前へ歩み寄った。
「陳さん。いつ私に指環を買って下すって?」
....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》を声高《こわだか》に笑ったり、何かしら不快な事をしでかして、再び私の反感を呼び
起してしまうのです。ですから彼が三十分ばかり経って、会社の宴会とかへ出るために、....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
えも感じている。殊に万事が完《おわ》ってから、泣き伏しているあの女を、無理に抱き
起した時などは、袈裟は破廉恥《はれんち》の己よりも、より破廉恥な女に見えた。乱れ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
守《るす》だった。案内を請う声に驚かされたお蓮《れん》は、やむを得ず気のない体を
起して、薄暗い玄関へ出かけて行った。すると北向きの格子戸《こうしど》が、軒さきの....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
そうしてその顔と共に、何本かの軍刀が、忙《いそが》しく彼等の周囲に、風を切る音を
起し始めた。
それから後《のち》の事は、どうも時間の観念が明瞭でない。丈《たけ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
槽《いしぶね》の中にまる一晩沈んでいた揚句《あげく》、心臓痲痺《しんぞうまひ》を
起して死んだのです。やはり「ふ」の字軒の主人の話によれば、隣《となり》の煙草屋の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ました。無論十二指腸の潰瘍《かいよう》です。が、ただいま拝見した所じゃ、腹膜炎を
起していますな。何しろこう下腹《したはら》が押し上げられるように痛いと云うんです....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
間《あいだ》であった。
その内に神父は祈祷をやめると、やっと床《ゆか》から身を
起した。見れば前には女が一人、何か云いたげに佇《たたず》んでいる。南蛮寺《なんば....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
だった。
僕等は二人の少女の姿が海水帽ばかりになったのを見、やっと砂の上の腰を
起した。それから余り話もせず、(腹も減っていたのに違いなかった。)宿の方へぶらぶ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
いことです。さあ、早く御逃げなさい」 遠藤はもどかしそうに、椅子から妙子を抱き
起しました。 「あら、嘘。私は眠ってしまったのですもの。どんなことを言ったか、知....
「墓」より 著者:秋田滋
。折あしく俄か雨にあいまして、彼女は風邪をひいてしまったのです。 翌日、肺炎を
起しまして、それから一週間後には、彼女はもうこの世の人ではなくなってしまったので....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
かえり勝ちに明神の森まで来りしが、この曲りの三股原に至り、またつとめて勇気を振い
起し大願成就なさしめたまえと明神の祠を遙拝して、末|覚束なき旅に上りぬ。路用とし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は塩化窒素の研究中であったが、これは破裂し易い物で、その為め目に負傷をして※衝を
起したことがある。自分で手紙が書けないので、ファラデーを書記に頼んだことがあるら....