起上る[語句情報] » 起上る

「起上る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

起上るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、梯子がガクリと揺れるに驚き、足を踏み外し、逆とんぼうを打って畑の中へ転げ落ち、起上る力もなく、お札を片手に握んだまゝ声をふるわし、唯南無阿弥陀仏/\と云ってい....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
、弾《はず》みをくらって大きく投げだされ、腰骨をいやというほど打って、しばらくは起上ることが出来なかった。 そのうち火勢はずんずん拡《ひろ》がって、赤見沢博士....
海底都市」より 著者:海野十三
と一緒に出よう」 「えっ、もう退院ですか。しかし僕は起上ろうとしても、ベッドから起上る腰の力さえないんですよ」 「ああ、そうか。それはまだ磁界《じかい》を外《は....
雪魔」より 著者:海野十三
始めて生命を拾ったことを知って安心した。二人とも雪の中にぶったおれて、しばらくは起上る元気もなかった。 やがて二人が元気をとりもどして雪の上にむっくり起上った....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
行け」 聖者の声は、澄みわたって響いた。治明博士ははっと気がついて、むくむくと起上ると、あたりを見まわした。 そこは、はじめ登っていた域壁の上であった。夜は....
火星兵団」より 著者:海野十三
人力ぐらいのは、ざらにいる。 「くせ者! まだ降参せぬか!」 課長は、やにわに起上ると、また火星兵団の怪人にとびついていった。 火星人は、目を光らしたかと思....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
つかの怪しげな形のものまで交っていた。私はそっと取り出して達磨の如くころがして、起上るのを楽しんで叱られたこともあった。 朝と晩とには、父はこの神棚を必ず拝ん....
贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
下を覗きながら大きな声で、 「来たッ!」と云った。 森君は急いで這い出して来て起上ると、泥を払う暇もなく、 「風岡君逃げろ、逃げろ」と云って、一目散に走り出し....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
時に……急ったせいか、私の方が真先に二度|辷った、ドンと手を突いてね、はっと起上る、と一のめりに見事に這った。 (あれ、お危い。) と云う人を、こっちが、....
白痴」より 著者:坂口安吾
らなかった。路地の出口に近づいたとき、又、音響が頭上めがけて落ちてきた。伏せから起上ると、路地の出口の煙草屋も火を吹き、向いの家では仏壇の中から火が吹きだしてい....
母の上京」より 著者:坂口安吾
姿であつたが、又、何人がその品格を笑ひ得ようか。 然し、夏川は、ねむれぬ夜や、起上る気力とてもない朝の寝床の中なぞで、うそ寒い笑ひの中でヒロシの妙にトンチンカ....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
めて恐ろしい事態が呑みこめた。大事な男が、峯吉がまだ出ていない。お品は矢のように起上ると防火扉の閂にかかった監督の腕に獅噛みついた。激しい平手打が、お品の頬を灼....
三枚続」より 著者:泉鏡花
って、ワッともきゃっともまさかに声を上げはしませんが、一番|生命がけで、むっくり起上ると、フイと背後向になって、風を切るようにすっと引返しました。その時は背筋の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
えをしてから、曳やッと気合を掛けて打込む命掛けの勝負であった。追取刀でオイ来たと起上る小器用な才に乏しかった。「間に合わせ」とか「好い加減」とかいう事が嫌いであ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
に物の気息が聞えて、何者か忍び寄るようにも思われたので、市郎は手早く蝋燭を把って起上ると、余りに慌てたので、彼は父の死骸に蹉いた。広いと云っても一坪にも足らぬ岩....