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起用
「起用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起用の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
一、病理心理学又はフロイト主義精神分析は、吾々の社会心の概念に立って、もう一遍
起用されて好いだろう。吾々は今日、個人的素質に於て非常に優れた人々が、その社会生....
「源氏物語」より 著者:紫式部
よいかと帝はお考えになった末、源氏の君を不運の中に沈淪《ちんりん》させておいて、
起用しないことは国家の損失であると思召《おぼしめ》して、太后が御反対になったにも....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
時は司法省に勤めていた。矛盾のようであるが、父の係りは営繕課であった。建築の方で
起用せられていたのである。築城の素養があるといって、それが自慢の一つであった。 ....
「稽古場にて」より 著者:岸田国士
後の私には大儀だから、稽古場の隣に宿をとってもらう。 配役には思い切って新人を
起用したので、どんな結果になるか、半分楽しみで、半分心配なのは致し方がない。 ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
クしたということになるのだそうだが、どうもね、古道具屋にホコリをかぶっているのを
起用して有効適切に女の子を奮起せしめたのだから、廃物利用としてはマンザラではない....
「女心拾遺」より 著者:矢田津世子
虫の採集に熱中するような子供だったので、唐沢氏も諦めてしまったのか女婿の横尾氏を
起用することになった。 慶太郎をあてがわれた夫人は、良人のあそびが左程こたえな....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
方を時にやや現代風に変えるときがあるように、圓朝もまた心得ていてこの文明開化語を
起用したのだろうか。大方の示教を得たい。 もうひとつ倉岡元仲の父を倉岡元庵と名....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
も大阪の落語界はかなりに殷賑《いんしん》をきわめていた(事変後急に漫才を重点的に
起用しだしてからこの東西の位置は顛倒《てんとう》しだし、しばらく東京方から挽回し....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
る。 ベエコンは幾人かの、それほど重要ならざる犯人に対する予審判事としてすでに
起用されていた。そして、いまや事件告発の一委員として活動するよう命じられるにいた....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
一つは独木舟を差し込んだように唐突で単純に見えるが、その底は傾斜して水の波浪性を
起用し、盤の突端までに三段の水沫を騰らしている。 水を圧し上げ、水を滴らす仕掛....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
まるで問題ではない。ところでこの二人をぬきにした歌壇を考えると、全く飛鳥井家でも
起用するほかなかったことが一層はっきりとわかるのである。歌壇の中味も変ったのであ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ていまい。その親房は和泉にいたのである。そして正行が亡いあとは、正行の弟|正儀を
起用し、さらに次の楠木家を負って起たせた。しかし正儀は以来もう親房のいうことには....