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超克
「超克〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
超克の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
帰りに菓子四十銭、ピジョン一箱で、完全に文無しになりました。今シェストフ『自明の
超克』『虚無の創造』を読んでいます。彼は云います、『一般に伝記というものは何でも....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
いで、いっそいやらしかった。 「すりゃ人間か」 「人間にして人間にあらず。人間を
超克した者だ。天も聴け、地も聴け! 人間は
超克さるべき或る物である」 と、老人....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
私は論理というものをモラルの一つの契機に数えて来た。そのモラル自身には常識とその
超克としての文学とが区別されるのである。つまり論理にも「常識」的なものと「文学」....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
である。社会科学的道徳観念が最初から通俗常識乃至ブルジョア倫理学による道徳観念を
超克している点は、云うまでもなくここにあるのだ。――そのためイデオロギーとしての....
「「道標」を書き終えて」より 著者:宮本百合子
て来た。プロレタリア文学運動は、文学発成の社会的・階級的基盤については個人主義を
超克したモメントを示したのであったが、作家と作品とそれに対する批評の関係では、や....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
を確実に打算するためには、却って部分的にしか影響しないような特殊な「利害」は之を
超克しなければならないわけで、そこに実際的な――実践的な――生活から一応離れたよ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
は知識だ!)の平均値に他ならぬ。之は社会的な理論的常識に過ぎないのである。文学が
超克せねばならぬと考えているものは、実は道徳的常識そのものではなくて、そうしたも....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
追い出しました。うまく云い表わしにくいのだけれども、私の中で芸術家がモラリストを
超克したとでもいうのかしら。或る夜私の心持がさあっと開けて、ほんとにそのときは勝....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
は、この意味においては、永遠の懐疑の階級なのである。立命のためには知性そのものを
超克しなくてはならぬ。知性を否定して端的に啓示そのものを受けいれねばならぬ。それ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
なつかしい。 鶴見に取ってはそこに出てくる、今の言葉でいえば、分析とか弁証とか
超克とかいうものは、ただそれだけのものとして、そう深くは心を牽かされていない。「....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
だけ小胆者であった。それが善、悪ともに私に遺伝した。そして私の場合では自己批判と
超克とによって、大胆となること、敢えて人と争うこと、悪にも耐え得ることの自己鍛錬....
「小説集「聖女人像」後記」より 著者:豊島与志雄
、十九世記的な小説作法ではいろいろな苦渋がある。私もその苦渋を感じている。それを
超克する方法を考えている。 それがどういう創作方法となってくるか、今ここに説く....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
「芸術批評と芸術史」によると、「批評家の仕事は受け取られた印象が保持されると共に
超克される処に初めてなり立つ。批評家の仕事は思惟にぞくする。思惟は想像を克服して....
「日本の民衆と「日本的なるもの」」より 著者:戸坂潤
ないというような、機械的な宿命論の仮説も不用になる。自我は自我をつき放し、自我を
超克するという、誰しもやっている一つの活動が、説明出来ることにもなる。 だがこ....