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趣き
「趣き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
趣きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
歩きぶりをしない。秋風が朝から晩まで吹いて、見るもの聞くもの皆おおいなる田舎町の
趣きがある。しめやかなる恋のたくさんありそうな都、詩人の住むべき都と思うて、予は....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。かくの如く本能は、全体的なそして内部的な個性の要求だ。然るに智的生活はこれとは
趣きを異にしている。縦令智的生活は、長い間かかった、多くの人の経験の集成から成り....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
した。それに三角形の現わす奇異な感情は、円とか五角形とかのあらわすところとは余程
趣きを異にしていて、如何にも我が意を得たる絶好の対象物だと思ったのでした。 私....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
す。ことに面白いと思う点は、今度の変化は、先に起った五十八分における変化とは大分
趣きを異にしていることです。気圧の変化は、同じ様ですが湿度の激しい増大ぶりと、室....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
ても一番とは行かなかったろう。が、暴力とか勢力とかいうことになれば、それには大ぶ
趣きが違って来る。それに僕には愛知県という絶対多数の背景があった。 古参生等の....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
長い二間もある柄のついたものを、役者の顔前に差出して芝居を見せたもので、なかなか
趣きがあった。人形芝居にしても、今日は明るいためにかえって人形遣いの方が邪魔にな....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
には、こんなことがいずれ幾度もあるのだろうと思うが、情けないうちにもなお何となく
趣きのある生涯じゃないか。どうぞ「また無責任なことをして」などと叱っておくれでな....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
エヂソンも面白がって読み耽けり、大発明家となった。 この本は普通の本とは非常に
趣きが異っていて。 電磁気以外の研究は「化学および物理学の実験研究」という本に....
「車中有感」より 著者:上村松園
の顔立ちと言い、横から眺めていると、天平時代の上※をみている感じで、とても清楚な
趣きを示しているのであった。 色の白い、顔立ちのよく整った、この二人の姉妹は、....
「女の話・花の話」より 著者:上村松園
とはないのですが、何しろ大そうな人出でワイワイいっておりますから、ほんとうの花の
趣きを味わいかねます。 京には、花の寺の保勝会というものがありまして、年に僅か....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
フという老人が青年作家たる若い甥の評判高い処女作を読んで意外な作才に驚くと同一の
趣きがあった。が、文名の齎らし来る収入はというといくばくもなかったので、感嘆も満....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
、大月と、このあたりの紅葉はまだ少し早いが、いつもはつまらぬところでも捨てがたい
趣きを見せていた。 長いトンネルを出ると初鹿野、ここから塩山までの間に白峰は見....
「随想」より 著者:上村松園
ることは出来得ない。 真に現時の絵画を、過去のそれに比較するに及んでは、格段の
趣きで感慨殊に深きを覚ゆる。ずっと以前に如雲社という会が京都であって、確か毎月裏....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
がある。その時は二声も三声も呼ぶ。山彦が遥かの峰から応えて、少し後れながら淋しい
趣きをそえつつ同じ声をもって来る。時とするとはっきり全く違った応えを送って来るこ....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
えしてみると、その世辞には見え透いたところがあり、その持ち上げ方には煽てるような
趣きがある。しかし、この葉書の文句を読んだ時は、私は、いくらか「煽て」に乗ったよ....