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足し
「足し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
農場では、一切がきちんとして、心地よく整っていた。彼は自分が金持ちであることに満
足してはいたが、それを自慢したりしなかった。心ゆくばかりのゆたかさを誇ったが、自....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ないという流儀の人である。それで当時のローヤル・ソサイテーの組織等について多少満
足しておらない点があった。それゆえ、会長になれば必ず一と悶着起すにきまっているの....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ました。 「伊作の拾うんだもの、碌なものでなかべいになあ!」 と太郎右衛門は附け
足して、多助と一緒に少し急いで坂を下りて行きました。 坂の下の方では、伊作はさ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ますよ――」 そして、少年はまた、私が思わずぞッとしたほど深刻な声で、こうつけ
足して云うのでした。 「ご存じでしょうね、お父さんがどんなことをしたか」 私が....
「初雪」より 著者:秋田滋
と云うことは、夢にも考えてみたことはなく、現在の自分の生活、現在の自分の快楽に満
足しきっている彼は、世にも幸福な人間だった。彼はこうした荒寥たる国に生れ、ここで....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
だんの彼なら、藤左衛門や忠左衛門と共に、笑ってすませる筈のこの事実が、その時の満
足しきった彼の心には、ふと不快な種を蒔《ま》く事になった。これは恐らく、彼の満足....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ないでしょうか? どうもこの頃は読者も高級になっていますし、在来の恋愛小説には満
足しないようになっていますから、……もっと深い人間性に根ざした、真面目《まじめ》....
「河童」より 著者:芥川竜之介
はおお声に笑いました。
「それはむしろしあわせでしょう。」
「とにかくわたしは満
足しています。しかしこれもあなたの前だけに、――河童でないあなたの前だけに手放し....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ございました。確か、ある花曇りの日の昼中《ひるなか》だったかと存じますが、何か用
足しに出ました帰りに、神泉苑《しんせんえん》の外を通りかかりますと、あすこの築土....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
とか何とか、曖昧《あいまい》に言葉を濁していた。それでも彼は渡したと云う言葉に満
足して、その上立ち入った事情なぞは尋ねようとも思わなかった。
すると三四日経っ....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
さん親子の場合は複雑です。M子さん親子は貴族主義者です。従ってこう云う山の中に満
足している訣《わけ》はありません。しかしその不満の中に満足を感じているのです。少....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
じた。伝吉はやむを得ず藪《やぶ》かげへはいり、漆《うるし》の木の下《した》へ用を
足した。この一条を田代玄甫《たしろげんぽ》は「胆《きも》の太きこそ恐ろしけれ」と....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
《き》めている。ただ波羅門《ばらもん》や刹帝利《せっていり》だけは便器の中に用を
足し、特に足を労することをしない。しかしこの便器の中の糞尿《ふんにょう》もどうに....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
原稿料は一週間の滞在費にも足りないものだった。が、僕は僕の仕事を片づけたことに満
足し、何か精神的強壮剤を求める為に銀座の或本屋へ出かけることにした。 冬の日の....
「春」より 著者:芥川竜之介
たしも姉さんに聞いて頂きたいの。」
広子は内心プロロオグの簡単にすんだことに満
足した。けれども辰子はそう言ったぎり、しばらく口を開《ひら》かなかった。広子は妹....